安倍内閣がかろうじて国民の支持を取り付けているのは、多くの野党の安全保障政策がいい加減だからだ。日本をどうするかの対案がなく、自衛隊を憲法に明記することにも反対するのだから、箸にも棒にもかからない▼日本が国連に加盟したのは昭和31年であり、世界で80番目の加盟国となった。いうまでもなくそれは国連憲章第51条を承認したことを意味する。「武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない」と書かれており、侵略国の攻撃に耐えうる自衛力を整備し、日米安保条約などによって対処することを容認している▼今の日本国憲法がいかに制約を課そうとも、それに上位にあるのが国際法であり、その矛盾を解消するためにも、憲法改正は喫緊の課題なのである。すぐに国連を持ち出すマスコミも、その点にはまったく触れようとしない。日本国憲法に交戦権を認めないと記述されていることをめぐって、国会では未だに不毛な神学論争が続いている。憲法学者の圧倒的多数が自衛隊を違憲としている現状は、あまりにも異常ではないだろうか。東アジアをめぐる情勢はいつどうなるか見当がつかない。日本を守り抜くためには、国連憲章51条なのである。国民の命がかかっているのだから。
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