トランプの勝利を目の当たりにして、改めてアメリカという国家の強さを再確認した、東部のエリートと呼ばれる一握りの支配は、あっけなく崩れたのだった。やっぱりアメリカは民衆支配のデモクラシーの国家であったのだ。
激戦州は工業地帯であった所で以前は民主党が強かったが、今回は労働者の支持を受けてトランプが勝ったのである。健全なアメリカが復活することは、世界にとっても好ましいことである。
エリック・ホッファーは大きな塊としてのアメリカについて語っていた。「アメリカ合衆国では、階級の境界が曖昧なだけでなく、教育や財産、職業。精神的・肉体的資質の相違にもかかわらず、人びとは平等化する何かが機能している。教育のある者ない者も、金持ちも貧乏人も、軍人も民間人も、老人も若者も、男も女も、企業経営者も労働組合の指導者も、正気な人も狂人も、(万人によって濫費される医薬品の量を考慮すれば)健康な者も病人も、その違いは比較的わずかである」(『魂の錬金術 全アフォリズム集』中本義彦訳)と書いていた。
トランプによって、アメリカの分断は終わることになり、まとまったアメリカになれば、世界は平和になる。エリートによる支配から脱却することで、アメリカはアメリカらしさを取り戻すのである。