草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

政党は政策で政治家は業績で評価すべきだ

2024年02月23日 | 思想家
 ネットを見ていて心配になることがある。政党や政治家を批判する場合に、単なる感情論でXしている人たちが多いからである。中村菊男は『政治家の群像』において政治評論について、次の四つを常に念頭に置くべきだという考え方を示した。
 第一に、政党の批判は政策を中心とすべきである。第二に、政治家の評価はその人の挙げた業績をもってすべきである。第三に、個人面では政治家の負担を減らすような評論が求められる。第四に、政党の権威をたかめ、国民が政党に親しみのもてるような環境をつくるべきであるーと書いた。
 自公政権で景気がどうなっているか、安全保障の面で充実が図られているかということで、痛いところを突くべきなのである。スキャンダルなどは二の次でいい。
 政治家はあくまでも何をしたかである。反対するだけが政治家の仕事ではない。野党であってもできることはあるわけで、そこで判断されるべきだろう。反対のための反対の政党は問題外なのである。
 あくまでも政治家は公的なサービスに徹しなくてはならない。小選挙区になってからなおさらだが、あらゆる相談に応じるとか、小さな会合にまで顔を出すようなことでは、公僕としての使命を果たせない。
 政党を悪しざまに罵るのは、政治不信を高めるだけである。政治を身近に感じてもらうためには、政治の果たしている役割を啓蒙する必要もある。
 中村はあたりまえのことを言っているだけである。スキャンダルだけで投票し、政権交代のかけ声に踊らされた過去を、私たちは反省しなくてはならない。冷静に物事を見るためには、床屋政談のレベルの議論に迎合してはならないのである。

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