草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

敵の認定もできない国家は滅亡するだけだ

2024年01月24日 | 安全保障
 私たちは大変な瀬戸際に立たされている。カール・シュミットは「決定的政治的単位体たる国家は、巨大な権能、即ち戦争を遂行し、かくして公然と人間の生命を支配する可能性を掌握した。蓋(けだ)し、交戦権はかくのごとき処分を含むものである。即ちそれは、自国民には死の覚悟と殺戮の準備をし、且つ敵の側に立つ人間を殺害するという二重の可能性を意味するものだからである」(「政治的なものの概念」清水幾太郎訳で『政治の本質』に収録)と書いている。
 日本に敵対する国家は、公然とそれを口にしているが、平和ボケした日本国民は、その意味を理解できないでいる。敵の認定すら他国に依存するような民族は、存在することすら難しいのである。
 政治的に存在するというのは、現実の敵を認定することにほかならず、「交戦権」を放棄することで、それを現行憲法で否定してしまった日本は、危機に際して対応する術がないのである。米国を保護者として信頼してきた日本は、ウクライナの現状を見れば、危機感を抱いて当然である。国家の命運にかかわることを議論せず、たわいもないことで大騒ぎしている。
 非常事態が迫っているにもかかわらず、今日の平和が明日も続くと思っているのが間違いなのである。

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