ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2011.11.6  気疲れ、湯疲れ、食べ疲れ・・・

2011-11-06 21:26:41 | 日記
 昨日はホテルの最寄駅駅ビルのレストラン街で遅いランチ。5人で食事をともにするのは、この春、息子の高校入学に際して父に保証人になってもらうため、書類を持って実家に行ったとき以来。久しぶりに会った父は、また腰が曲がって小さく細くなっているように思えて、一瞬、息をのんだ。
 かつては173㎝、一番太った時は80㎏近くあったと母は言うが、今は166㎝の私より小さく、体重も50㎏を割ったそうだ。頭では分かっているものの、親の老いを目の当たりにすると、正直、たじろぐ。
 普段は母と2人で質素に暮らしているから、こんなふうに大勢で外食をするのは本当に久しぶりのようで、美味しい、美味しいと食べていたので、とりあえずほっとする。

 ホテルにチェックイン後、ラウンジでお茶。この頃には私のお腹の気持ち悪さが大分治まってきて、メニューのデザートの写真を見て食指が動く。紅茶もおかわりして、贅沢な時間を過ごした。
 お腹ごなしにホテル内を散策。今回はスパ・ヘルスクラブのチケットも含まれたプランだったので、息子は一人でプールとジムに出かけた。大人4人はそれぞれ部屋でまったり。父にはカーディガンを、母には刺繍入りのバックをプレゼントしたら、とても喜んでくれた。かつてはLサイズを着ていた父だが、迷ってМサイズにして正解だった。

 夕食は、早くもクリスマスイルミネーションが始まったとテレビで放映されていた場所がホテルの近くだったので、そこまでタクシーで移動。折悪く雨がぱらつき出す。
お目当てのイタリアンレストランは土、日は予約出来ない、ということだったため、ダメ元で行ってみたのだが、やはり小一時間は待ちそうということ。あきらめて向かいの高層ビルにあるレストラン街に行ったが、これまたどこも長蛇の列。土曜日に5人という人数でありながら、予約もしないでやってきたのは私の失敗だ。ようやくなんとか8時過ぎに豚しゃぶが売り物の店に入れた。
 9時にはホテルに戻って、みんなで温泉とサウナの予定が、大幅に遅くなってしまい、既に温泉はクローズ。部屋での入浴後、寝るだけになってしまった。

 大きなお風呂での入浴を楽しみにしていた両親の願いで、今朝は少し早めに起きて、朝食前に朝風呂へ。
 母と入浴するのは、初発の手術前以来だ。その時は息子の誕生日祝いで、近県のテーマパークに新しく出来たホテルに泊まりに行き、その時両親に初めて、実は週明けに乳がんの手術をすることになった、と打ち明けた。

 その時には、その10日前に腫瘍摘出術を受けた際の小さな傷はあった。その後、悪性が確定して再手術。さらに2年ほどでホルモン剤の副作用が原因の卵巣嚢腫と子宮筋腫の摘出手術。再発後のポート設置、再設置手術とまさに満身創痍になってからは初めて。片や母は80歳近くになるのに一度も体にメスを入れたことがない幸せな人だ。
 母からすれば当然心配だし、自分が産んだ娘の体がどんなふうになっているのかは、気になって仕方なかったのだろうけれど、遠慮があるのか、これまでずっと口を閉ざしていた。
 傷跡はここで、この傷はポートを入れ替えたもので、抗がん剤の点滴はここのポートから入れていて・・・と、お風呂上りのリラックススペースで、バスローブをはだけて淡々と説明する。泣き虫の母に泣かれるのは辛いと思ったが、さすがにここまでくると私もサバサバと言えて、母も取り乱すことなく、心配は杞憂に終わった。
 そして、昨年夏に父が骨折した時の話を詳しく聞き、母は精神的に相当追い込まれていたことを知った。治療中の私には頼れない、自分で乗り切るしかない、父を残して自分が先に逝くわけにはなんとしてもいかない、1日でも自分が長生きしなければ、と自分に言い聞かせる母の決意が伝わってきて、切なかった。

 お風呂が終わって一息ついて、それから朝食ビュッフェへ。入浴して喉も乾き、お腹もすいて、ついつい食べ過ぎてしまう。外は雨。杖をついている父は足元が悪いので、ホテル内の庭園を散策するのもやめておく。
 チェックアウトまでまだ2時間ほどあったので、食休みをしてから・・・と、またまったりする。
 お風呂に入って、沢山食べて眠くなった夫と息子は、部屋に入るなり爆睡。私は荷物整理をして足湯の後、読書をして時間潰し。

 チェックアウトをして、来た時と同じようにシャトルバスに乗って、最寄駅へ。その後、JRでターミナル駅まで移動。朝食後まだ3時間しか経っていなかったが、ランチをしてから解散にする。今度、こんな風に会えるのはいつのことになるだろうか。
 
 夫からは帰りの車内で「いい親孝行ができたね。」と言われた。息子は、父の付添でお手洗いに行ったり、荷物を持ったり・・・と使い走り役。
 父からは、是非また一緒に海外旅行に行きたいとか、来年の息子の誕生会をやりたいとか、前向きな発言が沢山あった。今回のプチ旅行は、父にとっても免疫力アップの大きなプレゼントだったのだろう。

 付き合ってくれた2人にはあらためて感謝の一泊だった。

コメント
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