ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2012.6.12 業務多忙により・・・

2012-06-12 20:54:57 | 日記
 先週末のアロマテラピー講習会に欠席されたある方からメールが届いた。
 良かった!と胸をなでおろした。体調不良もさることながら業務多忙とのこと。本当に大変なことだ。

 自分がやっているから言うわけではないが、終わりのない再発治療を続けながら働くことは、決してたやすいことではない。当然のことながら“私はがんの再発治療中です”という札をぶら下げて甘えられるわけでもなし、一旦職場に入ったら、働けるコンディションを整えていなければならない。だから、自分の体調をセルフコントロールすることは必要最低条件だ。

 2人に1人がこの病気になる時代だ。そのうち半分を占めるという働ける年代のがん患者は、今後も大きく減ることはないだろう。その人たちが皆、仕事を辞めてしまったら、ただでさえ超高齢社会でアップアップしているこの国はどうなるのだろう、と思わざるを得ない。
 治療は日進月歩、副作用対策も格段に進歩している。だから、今では入院することなく外来で治療をしながら、副作用もかわしつつ普通に働き続けることが出来る。
 そのことを是非一人でも多くの方に知って頂きたい、と切に思う。
 以前も書いたが、「再発・転移=即、死」では決してない。がんと共存しながら年単位の治療が続くわけだから、当然多大な治療費もかかる。一定期間就労の実績があり、治療日に仕事が休める環境にあるのなら、再発治療が始まった時点で退職を決断してしまってはならない。早まってはいけない、と思う。

 もちろん治療を続けながらこれまで通り働くことは、体力的にも辛いと思うこともあるかもしれない。けれど、これまでと全く同じペースでなくてもいいのではないか。少しペースを落とさざるを得ない期間があっても、とにかく継続は力なり、と言いたい。これはある時期、育児時間等をとってペースダウンするお母さんと同じだとは考えられないか。これまで働いた知識と経験を棒に振ることは決して、ない。
 自分がどうこう、というわけではない。この後に続く方たちが、この病気になっても、さらには不運にもエンドレスの再発治療をしなければならなくなっても、少しでも長く普通に働き続けられるように、少しでも働きやすくなるように、と願って止まない。

 家のこともきちんと出来ていないくせに、働くことにばかり価値を見出しているのはいかがなものか、と言われるかもしれないし、働くことよりもっと大切なことがあるのでは、とおっしゃる方もいるだろう。
 けれど私は、働ける限り自分で働いてその対価を得ることは絶対に譲れないな、と改めて思う。

 働いていて良かった、働かせて頂けていて本当に良かった、と日々思う。
 自分の家以外に、自分の机-自分の居場所、自分を必要としてくれている場所-があることを素直に幸せだと思う。
 職を追われずにいる(しがみついているのかもしれないが)自分は、本当に恵まれていると思う。
 そして、数年来、治療のための休暇を取り続けている私を働かせてくれている職場に対して、感謝してし過ぎることはない、と思う。

 今日も肌寒く、雨模様の一日だった。紫陽花はいよいよその色を美しく変えている。明日は通院日の予定が、会議のため出勤。今週は明後日、木曜日が通院日である。
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2012.6.11 やり切れない命

2012-06-11 21:15:50 | 日記
 早くも6月中旬に入った。朝から小雨が降ったり止んだりの梅雨らしいお天気だ。
 頭が重くなるのもこの気候だと仕方ないかもしれない。気圧が変化しやすく、湿度が高かったり肌寒かったりすると、骨だの関節だの傷口だの、は、どうも痛みがあるように思う。

 今や全くどこも痛くない!という日は殆どないので(もちろん加齢現象もあるのだろうけれど)、逆に今日はどこも痛くない?!と思うと、知らず知らずのうちに笑顔になって幸せを感じる。
 そして何より、気持ち悪くなく食事が摂れることが嬉しい昨今である。

 よほど重い病気を抱えている等ということがなければ、誰しも日々恙無く暮らしていけることが当たり前と思うものだろう。
 だから、昨日大阪で起きた通り魔事件のあまりの理不尽さに、言葉がない。

 大阪府知事は会見で「死にたければ自分で死ね。(人を巻き込まないで)自己完結せよ。」と言ったそうだが、なるほど、突き詰めればそういうことかもしれない。「死のうと思ったけれど、死に切れなかった。死刑にしてほしいから沢山人を殺せばいいと思った。誰でも良かった・・・」と。
 彼にとっては家もなく、仕事もなく・・・という辛い状況にあったのかもしれないが、彼とは全く無関係だというのに、その彼を死刑にするためだけに“誰でも良かった”と殺された方はたまらないではないか。
 このような事件が起こるたびに、どうしてこういう台詞が繰り返されるのだろう。なぜ、自分以外の人が背負っている人生に想いを至らせることが出来なかったのだろう。

 この後、彼がどんな刑罰を受けることになるかはわからないけれど、たとえ極刑になろうとも、理不尽に突然断ち切られた命は決して戻ってこない。残された遺族を想うに、何ともやり切れない。

 生きたくても生きられない人が沢山いる。生きるために辛い治療を続けている人も沢山いる。
 自分がこの世に生まれてきたのは一体どういう意味を持つのか・・・。東日本大震災で、あれだけ数多くの命が突然断ち切られた様を知らない筈はない彼は、あの時、何も感じずに今まで生きてきたのだろうか。

 殺される理由等何らなかった男性犠牲者は、「誰か助けてください。」と叫びながら、繰り返し刺され、その声がどんどん細くなっていったという。そんな状況で彼は2人目の犠牲である女性を刺した後、既に瀕死の重傷を負っている男性を、戻って更に刺し続けたというのだから、絶句する。

 自分の命を大切に出来ないから、こんなふうに他人の命を平気で奪うことが出来るのだろうか。
 こんなことを書かなければいけない事件がまたも起きたことを、何ともやり切れなく思う。
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2012.6.10 梅雨の晴れ間に思うこと

2012-06-10 20:49:42 | 日記
 有難いことに梅雨入り後初めての日曜日は、起きてみると天気予報が外れて気持ち良く晴れていた。
 ちょっぴり寝坊はしたけれど、普段サボっている家事-掃除・洗濯・ずっと気になっていた片付けもの等-を午前中に終えることが出来て、気分がすっきり明るくなった。

 息子は英検受験のため、昼前から学校へ。朝食が遅かったにもかかわらず、早お昼をしっかり2人前食べて出かけた。出かける前には部屋で勉強、と思いきや、プロ野球本の上に受験教本を重ねて突っ伏して寝ていたのを見るにつけ、またも記念受験になりそうな気配ではある。が、とりあえず行っただけ偉い、と思うことにしよう。

 こうして家にいて考える時間が出来ると、最近ちょっと出かけ過ぎだったな、と反省する。
 以前は、土日に出かけるといえば、殆ど家族の用事か仕事関係だけだったが、ここ2年ほど、旧友との交流復活やら講習会、患者仲間との月例会等で土曜も日曜もかまわず、体調が許す限り予定を突っ込んでいたのだから、当然といえば当然の成り行きなのだが・・・。
 「土日くらいは食事の支度を引き受けるよ。」と言ってくれる夫をあてにして出かけるものだから、家のことがすっかり後回しになり、気が付けば困った事態になっていた。

 8月までの休薬の期間は、せっかく副作用がなくて元気なのだから、と欲張って予定を入れ過ぎたりせず、きちんと休養もメンテもしながら過ごさなければと自戒する。
 ふと手帳を見ると、来週の予定を中止したものの、この後、8月第1週まで全く予定が入っていない土日は、僅か2日・・・。そう、これから8月までの間、この2日だけは死守しなくては。
 新しい予定はよっぽどのことがない限り、入れません!(どうなることやら・・・)

 久しぶりに夫と買い物をして、午後は予約していたリフレクソロジーへ出かけた。
 お誕生月ということで15分の施術プレゼントがあったので、ハンドリフレをリクエストした。手の平も足の裏と同様反射区が沢山あって、押してもらうとどこもかしこも本当に心地よい。やはり左腕の方が滞っているという。術側なのでリンパ節廓清もしているし、かばってはいるものの流れが悪いのだろう。リンパ浮腫にならないように気をつけなくては・・・。
 その後、「副作用で足の痺れが酷いのです。」と話をしつつ、足裏の施術が始まるといつものようにいつの間にかうつらうつらと眠ってしまい、気付けば最後の“それでは一緒に深呼吸・・・”の場面になっていた。
 両足の足指の付け根から土踏まずの辺りは厚ぼったく感覚がとても鈍いのだが、聞けばここは肺の反射区だそうだ。どうして悪い部分、弱い部分が足の裏だけでわかるのだろう、と今更のようにまたびっくりする。「なるべくその部分を滞らせないように、お風呂上りにも柔らかく保てるようにケアするといいですね。」とアドバイスを頂いた。
 すっかり体が眠ってしまっていたので、リフレッシュハーブティを頂いて目を覚ましてから帰宅した。

 早くも新しい1週間が始まる。この土日は休息も、家事もリフレッシュも出来た。今週は2週間ぶりの通院日だ。レントゲンとマーカーでダブルチェックの予定だが、どちらも大きく変化していませんように。
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2012.6.9「第7回 素敵にアロマテラピー」参加

2012-06-09 20:20:05 | Ruban Rose
 関東地方もとうとう梅雨入り。
 雨降りの休日は家でじっとしていたいお天気猫なのだが、今日は、4月に初めて参加してすっかりファンになってしまった「素敵にアロマテラピー」に、いそいそと出かけてきた。

 今回で第7回を迎えるこの講習会。会場も前回と同じなので、迷わず時間通りに到着出来た。前回と若干レイアウトが変わっていたが、4人がけテーブルが6つで、参加者は22名、スタッフの方が5名だった。決められた席に着くと、ハーブティが振舞われた。「女王様のハーブティ」の夏バージョンで、ステビアの代わりにルイボスが入ったアイスティだという。爽やかで美味しかった。

 今回も4名のニューフェイスが参加しておられるとのことで、代表の飯田さんがご挨拶の後、綺麗なカラー刷りの資料に基づいて、アロマテラピーや精油の基礎知識をお話された。その後「更年期に負けない ふき取りコットン液」と「アロマ石けん」作りに挑戦した。前回ご一緒だった方と同じテーブルだったので、少しリラックスして、十分楽しむことが出来た。一つ残念だったのは、同じテーブルで参加される予定だった方が、体調不良でお見えにならなかったこと。日々頑張り過ぎておられるのでは、と心配だ。

 今日は沢山の種類の精油を使うということで、テーブルの上は精油の小瓶、メスシリンダーや小さいビーカー等の小道具でとても賑やか。
 私たち乳がん患者は、ホルモン治療でいきなり閉経状態にされてしまうから、初発時の年齢にもよるが、更年期が早まる人が多い。夏場に限らず、ホットフラッシュ等で悩む方も多いということで、今回の企画だという。
 メスシリンダーに無水エタノールを入れ、ジュニパー(森林浴の香りでむくみ・冷えに良い)、ローズマリー・シネオール(鼻づまり・肩こり等軽減、不安や落ち込み等精神的アプローチ)、ラベンダー・アングスティフォリア(心を平常心に戻す・誘眠作用)の精油を合計6滴。焦らずゆったり構えてポトリと1滴落とすのがなかなか難しい。さらに精製水を規定量加えて、振り混ぜれば出来上がり。コットンに浸みこませて汗ばんだ部分をケアすると、とても気持ちが良いそうだ。本当に良い香りで、冷蔵庫でひんやり冷やしてスプレーすれば、すっきりシャッキリしそうだ。
 ここで、サプライズ・プレゼントの1つ目、コットン入りのコットンケースが配られた。前回同様、本当にスタッフの方々のアイディア満載、心尽くしのラッピングが施されたものだ。後で伺ったら、合羽橋を歩き回って買い求められたという。

 続いて、この時期だけ楽しめるフレッシュハーブティを頂く。レモングラス、レモンバーム、レモンバーベナの優しい香りと綺麗な淡緑色を愉しみ、うっとり。テーブルにはフレッシュハーブティの3種類の葉に加え、マロウ、タイム、ジャーマンカモミールの葉や花の摘み立てのものと、乾燥させたものが、各々並べられた。
 その後振る舞われたマロウのアイスティにレモンを垂らすとびっくり。このお茶は青から青紫、グレーへと変化するというが、酸を入れるとピンク色に変わるので、サプライズティと言われているそうだ。各テーブルから「わあ、綺麗!」の歓声がこぼれた。また、ルバーブのジャムを載せたカナッペを試食したが、ルバーブにあんなに大きな葉が付いているとは知らなかった。漫画ではないが、動物が傘にしている絵が思い浮かんでしまった。茎が煮崩れるためジャム作りに最適だという。

 そして、手作りアロマ石けん作り。ナチュラルソープEという、天然の植物油をベースにした石鹸素地(ビニール袋入り)に精製水を加えて、袋の外からひたすら“こねる”のがポイント。その後、お団子のようにまとまったら好みの精油を規定量加えて良く練り込む。そのタイミングでピンクかグリーンのクレイを入れて色づけ。クレイには汚れを吸着させる作用があるので、石けんにはぴったりだという。こねる作業もまた楽しく、殆ど粘土遊びに夢中になる子どもの如く、無口になってこね続けたが、なかなか均一に色が混ざらずマーブル模様に。が、これも手作りの味かな、と満足。スィートオレンジの甘い香りをベースに、消毒殺菌作用のティートゥリー、自律神経調整作用のプチグレン、眼の下のクマを改善してくれるというマジョラム等の精油の香りが会場を包み、すっかり気持ちが豊かに緩みきった感じ。

 こうして今日も盛り沢山の2時間が終わり、隣のお部屋での懇親会へ。今日は前回買い損なったハーブティに虫除けスプレーキット等もお土産に買うことが出来た。
 懇親会に参加されたのは、初参加の方、常連の方、スタッフの皆様合わせて20名ほど。遠く名古屋や静岡から参加されている方々と、和気藹々とお喋りをしながら、暖かいハーブティとマクロビオティックの和食のお弁当を頂いた。前回は治療後でナウゼリンを飲んでから頂いたことを思い出したが、今回は休薬週ということで、ペロリと完食。食後、簡単な自己紹介をしてお開きになった。
 そしてまたも、サプライズがあった。18年前にパリでお世話になった先輩の妹さんが参加されていたのだ。出口へ失礼しようとしたところ、私のフルネームを聞き、話しかけてくださった。先輩とはそれ以来、年賀状等のやりとりだけで、実際にはお目にかかれていないが、妹さんはお姉様と良く似ておられて、とても懐かしく思った。
 本当にどこでどなたと繫がっているかわからない。だから人生は素晴らしい!のかもしれない。

 今回もとても素敵なサプライズ!の一日を過ごすことが出来た。
 お世話になったRuban Roseの皆様、今日もどうもありがとうございました。
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2012.6.8 善意だからこそ・・・

2012-06-08 20:28:20 | 日記
 善意での申し出だと判っている、だから、なんともその対応に苦慮する、ということがある。

 先方は私のことを気遣って考えてくれたのだな・・・と十分判るから、こちらの本音をストレートに表せないことが、切ない。せっかくの申し出やお誘いを断るのは、誰だって辛い。けれど、残念ながらその申し出やお誘いを受け入れられる心境でないことは、ある。

 オブラートに包んだ言い方をして何となくお断りすることが出来れば良いのだが、先方はまさか私がその申し出について対応に苦慮しているとか、お断りすることがある、とは思っていないから、なかなか遠回しの表現では通じない。

 さりとて、「No,thank you!」と言い切ってしまうのも憚られる。そうすることで、もうその人との関係が切れて良いというのなら、それもありだけれど、これまでの交流や今後またお世話になるであろうことを想えば、それもまた望むところではない。

 誰だって良かれと思ってすることだ。意地悪でしたことや困らせてやろうと思ってしたことでは決してないことが分かっているから余計辛い、ということがあるものだ。

 結局のところ、どう逆立ちしてみたところで、他人の気持ちになり切ることは出来ないのだな、と思う。もちろん「判ってほしい、何で判ってくれないの?」と思うことは、傲慢であり、甘えであるということも重々分かっている。夫婦だって親子だって、別個の存在であるから、どんなに近しい関係でも以心伝心というのは本当のところ、ないのだろうな、と思う。
 だからと言って少しでも判ってもらおうとする努力を放棄するわけではないが・・・・。

 今日は今年一番の気温になったという。東海地方までは梅雨入り宣言もされた。せっかくの週末だが、明日はまた雨の予報だ。

 今週は週5日勤務だった。週5日のフルタイム勤務は、毎週の再発治療が始まるまで、20年以上何の問題もなしにこなしていたことだったが、一旦週4勤務・週1通院のペースでリズムが出来てしまった昨今、5日間毎日フルタイムでの拘束時間をやけに窮屈に感じた。
 なにしろ通院日にふんだんにあった本を読む時間が、ない。
 朝、仕事に行って、帰ってきたら夕飯を作ってお風呂に入って、その日によって朝か夜に洗濯をして、ブログを書いて寝るだけの生活だ。
 では、こうした生活が出来ずに、毎日病院に行って本を読んでいればいいの?というわけでは決してないのだけれど。
 いや、こうしたごくごく普通の毎日が送れることこそ、何より幸せなのだ、ということもちゃんと分かっている。

 ないものねだりの情けない独り言である。
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