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「列戦功記」を現代仕様で書いてみた(2) 甲越 川中島血戦 101

2024年12月15日 21時17分06秒 | 甲越軍記
甲越軍記より275話

その先、上杉謙信は武田の旗本に乗り入れ、信玄、義信の父子と一騎打ちを行い両人に手傷を負わせて自陣に帰って、しばし休息をしていたが
遠くに西條山より戻った敵の正兵の大軍が押し寄せて、直江、甘粕の備えを破り
味方の後ろに回り、柿崎、本庄らを前後より取り囲むを見る

謙信は馬上よりこれらをキッと見て「すわ敵はうるさきハエの如く集まりたり、これ戦の大事なり、我は十分の勝とならずとも、年来のうっぷん少しは晴れたり
今は素早く帰国すべきぞ
あれを追い散らして味方を無事に引き上げさせるべし、日頃の神策はこの一戦に施すべし」と采配振って下知すれば、宇佐美駿河守、「かしこみ候」と答えつつ手勢を備えて駆け出でて、勝ち誇る武田勢の横合いより一同に槍を投げ入れ、雄を振るって突き破れば
続いて唐崎孫次郎、鐵上野介、大貫五郎兵衛、柏崎弥七郎を始め、名を得た剛将駆けつけて雲霞の如き武田勢に割って入り
騎馬、徒歩の区別なく当たるを幸いに斬りまくれば、甲兵すなわちしどろとなる

本庄、柿崎、村上、柴田もこれに呼応して自ら粉骨砕身の働きで血戦して難なく一方に血路を開き、謙信を守護して引き上げようと旗本と一つに固まれども
敵の追撃の激しさに隊と隊、相交じり合って人馬共に騒ぎ立てる

これを危うきと見て宇佐美駿河守は井の字に味方の中を走り、諸軍を分かち、備えを立て直させて、自らは陣頭にたって、乱れた味方の息を休ませるは、これ天晴れ美々しく見えたりける。

ここに武田太郎信義、先の戦いでは謙信に手玉にとられて傷を負う屈辱
血気盛んな大将なれば、先の汚名そそがんと怒りを心中の燃え盛らせて、手傷に屈せず、手兵八百余騎を一路に続けて、ひた冑となって上杉の大根の折掛けの旗印を目当てに越後勢の如く見せて謙信の旗本に近づく
そして謙信の旗本に近づくやいなや一斉に鬨をあげて攻めかかれば、旗本勢ふいを突かれて二町ほども退く
太郎義信大いに勇み、鞍高になりて乗りつけ、上杉の勇士、志田源四郎を馬より切って落とし、羊の群れを襲う猛虎の如く暴れまわる。

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