(くちゅくちゅと/くちすすぎおり/ほうしぜみ)
山道を犬と散歩していて、間近の木立で急につくつく法師が鳴き出した。その鳴き方が「くちゅくちゅおーし」と聞こえた。そして、瞬時に人間がうがいをしていることを連想させられた、ただそれだけのこと。
この時そう感じたのは、間近で聞いたことと、たった1匹だったこと。もしかすると、脱皮したばかりの蝉だったからではないか、と思う。
漱ぐは、(くちすすぐ)と読む。故事の「漱石枕流」は、自分の失敗を認めず、屁理屈をこねて言い逃れをすること。夏目漱石はこれから号を借りた。江戸っ子らしい名付け方だ。
シコンノボタン(紫紺野牡丹)