(みのむしと/なりてさんがに/くらしおり)
蓑虫は「父よ父よ」と、鳴く、と枕草子に出ているそうだから、歴史は古い。鳴き声は、どうやらカネタタキ(鉦叩)の鳴き声と勘違いしていたもよう。
「蓑虫は鳴かない」といつから分かったのか、分かってしまったのか、が分からないが、
蓑虫の音を聞きに来よ草の庵 芭蕉
蓑虫の鳴く時蕃椒赤し 子規
芭蕉は鳴く、とは言っていないが、子規ははっきり鳴かせている。(蕃椒は、唐辛子の別名)
又蓑虫は、別名「鬼の子」ともいう。鬼の捨て子で、粗末な継ぎはぎの蓑笠を着ているからだとか。
虫の中で、蓑虫は古くから結構人気者なのだ。
蓑虫や「亀鳴く」、「蚯蚓(みみず)鳴く」など、鳴かないものを鳴かせた中には、確かに勘違いもあるだろう。しかし、何でも事実が分かれば良い、と言う訳でもないのだ。勘違いと分かっていても、訂正せずそのまま鳴かせておく方が風流というものだ。
ヒガンバナ(彼岸花)
別名、死人花(しびとばな)、地獄花(じごくばな) 幽霊花(ゆうれいばな)、剃刀花(かみそりばな) 狐花(きつねばな)、捨子花(すてごばな)、はっかけばばあ 曼珠沙華(まんじゅしゃげ) どんなに残暑が厳しくとも、ちゃあんと咲いてくれるから 彼岸になれば、あら不思議!!!