(ちんぽこの/かゆきしょうねん/みみずなく)
ミミズ(蚯蚓)は鳴かない。鳴いているのは、ケラ(螻蛄)、通称オケラだそうな。いつごろから、その事実が分かったのかは、分からない。
子供の頃、たぶん小学生の頃、捕まえたオケラの胴を抓まんで、「けんちゃんのちんぽこ大きいか」と言うと、オケラは必ず手を一杯に広げるので「けんちゃんのは大きいと言ってるぞ」と言って笑ったものだ。
そんな冗談にムキになって怒る奴もいて、(今で言う「いじめ」と言えなくもない)怒れば怒るほど、何度もやって腹がよじれるほど皆で大笑いしたものだ。そして、友達の誰もが怒らなくなったら、この遊びは終了、つまり卒業したことになる。
以下、蚯蚓が鳴くということが、まことしやかに言われていたころのお話だとか。
昔々、蛇は歌上手だったが目がなかった。
蚯蚓はその歌上手の蛇を訪れ、
「歌を教えてくれたら代わりに目を差し上げましょう」と持ちかけた。
蛇はこの申し出を受け入れ、蚯蚓に歌を教え、代わりに目をもらった。
だから、ミミズには目がないそうな。
だから、ミミズは鳴くそうな。