(くるたびに ねんげみしょうや たかおうめ)
高尾山は、東京都八王子市にある標高599mの山。登山者は、年間260万人で世界一。元来は修験道の霊場であり、現在は真言宗智山派、大本山高尾山薬王院有喜寺の寺域。
捻(拈)華微笑(ねんげみしょう)とは、「お釈迦様が蓮華(ハス)の花を手に取り、それをお弟子さんたちに示された。が、お釈迦様の意中をはかりかねて、みんなは呆気にとられて黙っていた。しかし、それを見て迦葉(かしょう)だけが、お釈迦様の意中を悟って一人にっこり笑ったという。これを古来から世尊拈華破顔微笑と言っている」そうである。
さて、百名山に50以上登ったカンボジア人のウーさんは、登る度にメールで登頂の写真と俳句を送ってくれる。かれは、顔立ち、体形、言葉のどれを取っても日本人と全く変わらない。そして、彼のさりげない文章や俳句に、仏教に造詣が深いことが読み取れる。
この句の「来るたびに」には、高尾山に嵌まってしまい、毎週のように訪れている彼の感動や喜びが感じられる。
薬王院の紅梅