一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1248   夏の月さびしき町の刺青師   直美

2014年06月14日 | 

(なつのつき さびしきまちの いれずみし)

 

「いれずみ」は、どうやら「入れ墨」が正式らしい。「刺青」とも書くし、「彫り物」「タトー」(Tattoo)とも呼ばれる。

 やくざや暴力団などの異端の人間が、自分を誇示するために入れていると思っていたが、最近はスポーツ選手などにやたらと見られる。私の知人にも、妻の名前を入れていて、自慢する者がいる。安室奈美恵などもしているらしいし、結構一般化されているようだ。

 ところで、世界で最も古い入れ墨は、アルプスの氷河から発見された5300年前のアイスマンだそうである。縄文土器の土偶の模様も入れ墨らしいというのだ。

 私も入れてみようかしらん・・・・・

キョウカノコ(京鹿の子)

 

 

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1247   髪切るやあれこれ選ぶ夏帽子   やすこ

2014年06月12日 | 

 この句を読んで、数年前にテレビで見た「ココ・シャネル」の伝記映画の中の、競馬場で自作の帽子が貴婦人たちの注目を集めるシーンを思い出してしまった。映画のストーリーは忘れても、あるシーンだけが思い出されるのも不思議。

 人の名前は思い出せなくても、変な時に変なことを思い出す。まだまだ、呆けていないと、自画自賛しておこう。

 夏になって女性が髪を切る。昔ほど重大ではないだろうが、それでもなかなかの決心がいるに違いない。そして日除けのための夏帽子を選ぶ。若いころの帽子が、今でも似合うと良いのですが・・・・・

ドクダミ、(十薬とも)

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1246   明易しまだ使はずの今日がある     章子

2014年06月11日 | 

 私には、年3回正月がある。正式な正月と、あと2つは年二回の、窯焚き終了から窯出しまでの6日間である。その間は、何をしても良い、何もしなくても良い。例えば朝から酒を飲んでも良い、と決めてある。

 ところが実際は、朝から薪を割っている。義務感は一切ないから、いつ休んでも良いし、いつ止めても良いのだが、昨日も結局晩まで割っていた。却っていつもより働き、いつもより効率的なのだ。

 さて、深夜に目覚めこのブログを書いているが、夜が明けたら・・・やはり薪を割っているだろうな・・・

ニシキウツギ(二色空木)

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1245   この家の行く末思い草を引く   洋子

2014年06月09日 | 

 我が家の庭には草花を植え、四季折々楽しんでいる。しかし、自分が死んだらこの家はどうなるのだろうか。子供たちは独立し、都会に住み、帰るつもりはないようだ。先祖伝来のこの土地や建物は、遺産相続で売却されるかもしれない。売らないにしても、管理する者もなく、建物は朽ち、庭は荒れ果て、幽霊屋敷になるかもしれない・・・・

日本の総住宅数5759万戸のうち,空き家は756万戸。総住宅数に占める空き家率は、平成20年では13.1%。空き家の有効活用を考えねば・・・・

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1244   白骨の子の初恋の初夏よ   いらくさ

2014年06月07日 | 

  白骨(はっこつ)とは、 風雨にさらされて白くなった骨のこと。ということは、死体が数年以上放置されなければならない。火葬の骨も白いが、白骨とは言わないらしい。まさか地名の白骨温泉の白骨(しらほね)ではあるまい。

 さてこの句、死んでしまった我が子(ではないかもしれないが)が、初めて恋をしたのは、確か去年(ではないかもしれないが)の初夏のことだった。

 はつ、はつ、はつ、と、はつを三つ重ねているのが、いかにも不自然というか、嘘っぽいのだが、作者はそこを狙ったのか?

ホオ(朴)

 

 

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1243   新樹光今日も一日頑張れそう   稱子

2014年06月06日 | 

 昨日から窯焚きで、昨日から梅雨入りで・・・・・なんと間が悪いことか。たった1週間遅れただけで、えらい違いである。唯一の救いは、涼しいこと。10度近く気温が下がっているから、窯焚きにとって消耗が少なくて済むので助かる。(唯今、17度)

 さてこの句、「頑張れそう」が、正直というか本音に近い感じがする。「頑張るぞ」は、なんとなく虚勢というか嘘っぽく感じるのは、年のせいだろうか。

窯場の薪の窓

 

 

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1242   唄うようにメルシーと応え新樹光   薪

2014年06月05日 | 

 パリのローランギャロスで行われている、テニスの四大大会唯一のクレーコートのフレンチオープン。日本の男子唯一の錦織は、残念ながら初戦敗退。優勝は、ランク1位のナダルか2位のジョコか,それとも・・・・・女子はシャラポアか・・・・・

 さて、あの鼻にかかった発音のフランス語は、世界で最も美しい言語と言われているそうだが、一世を風靡したシャンソンを知っていれば、「メルシーボクー」も唄うように話してみたくなるのも当然。つまり

唄うようにメルシーボクー新樹光

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1241   第213回 岩戸句会 5月 

2014年06月03日 | 岩戸句会

行き過ぎてあとから気付く河鵜かな    歩智

水馬背中叩けば棒となり

 

唄うようにメルシーと応え新樹光     薪 

ヴェルサイユ宮殿の窓ふらここす

     

新樹光今日も一日頑張れそう      稱子  

旅終えて下りる空港風薫る

       

この家の行く末思い草を引く      洋子     

植木屋がゴザにまどろむ新樹光

 

明易しまだ使はずの今日がある     章子

目薬に空を映して五月来る

 

棒鱈や半年前は北の海         炎火 

膝笑う急階段を蝶二頭

 

散歩道蜜柑の花を口ずさみ       鼓夢

夜来雨上がりて今朝の新樹光

 

新樹光岬かげより海賊旗        豊春

もののけの蠢く如く谷若葉

 

様々にわが道照らす新樹光       一煌

草若葉利休鼠の雨寂し

 

我が影をすべて被いし新樹かな     遊石

子等すべて口あけて見る鯉のぼり

 

ドクダミが草むらに湧く日暮れ時    余白

鯉のぼり泳ぐ場所無き仮住まい

 

数多なる微塵の金魚孵りけり      雲水

葉桜は山の一樹に戻りけり

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1240   行き過ぎてあとから気付く河鵜かな   歩智

2014年06月02日 | 

最近の東京、目黒川では、幅1メートル、長さは分からないほど大量のボラ(鰡)の幼魚が、連なって昇って来るそうである。数万とか数百万の数かもしれない。それを狙って、素潜りの得意なカワウ(河鵜)がやって来る。まあ、食べ放題だろう。

 日本に生息する鵜は、ウミウ(海鵜)、カワウ(河鵜)、ヒメウ(姫鵜)、チシマウガラスの4種で、鵜飼の鵜は日本ではウミウ、中国ではカワウだそうである。カワウは、樹上をねぐらとしコロニーを作るので、大量の糞などによって木々が枯れてしまうという。悪臭がひどく人間からするとえらい迷惑だそうである。

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