★3年前に『出航五分前』でデビューした三代目コロムビア・ローズさんも、これが5曲目になります。野球に例えると、これまで直球勝負の演歌というよりは、変化球というイメージがあったように思います。アイヌをテーマにした『蒼いバラの伝説』、長崎を舞台のエキゾチックな『異国の華』、初代の『東京のバスガール』の二番煎じのような『夢のバスガール』と、どれも過去に似たような曲があって、今ひとつ彼女のオリジナリティーが生かしきれない感じでした。
★今度の新曲『最終便』は、空港での別れをテーマにした歌謡曲風の作品で、これまでの彼女のイメージを打ち破る、新鮮な魅力にあふれています。そういえばヘアスタイルも衣装もイメチェンされたようですね。
出だしから感情を徐々に高めていって、「羽田発21:00 最終便」のサビで力強く印象付けるという構成も巧みです。
★これまで飛行機や空港をテーマにしたヒット曲といえば、青江三奈さんの『国際線待合室』、欧陽菲菲さんの『雨のエアポート』、ちあきなおみさんの『夜間飛行』、テレサ・テンさんの『空港』、中森明菜さんの『北ウイング』といったところが思い浮かびますが、この『最終便』も空港ものとして永く残る曲になればいいですね。