水曜日は寿司のセールがあるので
寿司子と二人で働いた。
寿司子は寿司太郎に比べ仕事が早い。
仕事を終え、その日作った寿司パックを数えると
二人で作った寿司は150パックにもなっていた。
翌朝仕事に来ると
なんと残っていたのは3パックのみ
水曜日は多くの家庭で寿司パーティー。
その忙しい水曜日、 寿司子が休憩を取っていると
白人の女性が彼女に会いに来た。
女性は寿司子に英語を教えてくれた婦人の娘さんだった。
その日の朝 母親が亡くなった事を
わざわざ寿司子に伝える為店まで来てくれたのだ。
寿司子は英語を教えてくれたその婦人にとても感謝しており
クリスマスや誕生日に毎年ギフトを贈っていたのは私も知っていた。
癌を患っていたその婦人が店に来る事がなくなって1年は過ぎていたかなぁ
婦人に会う事はなくとも
先月あった婦人のバースデーに寿司子は花を贈ったらしい
何時までも婦人に感謝する寿司子の想いを
婦人がどんなに喜ばれただろうかと想像するだけで胸が一杯になる。
”私、どうしたらいいの?” と
お葬式の事で寿司子に訊かれた私は
お通夜 Visitation なら自分の都合のいい時間に合わせ行く事が出来る。
日程は死亡広告 Obituary に出るのでネットで探せる。 と話した。
翌日の死亡広告に婦人の名が掲載されていた。
お通夜は土曜日の午後3時から7時までになっていたので
5時まで仕事の寿司子も参加でき婦人とのお別れが出来る。
”花を贈った方が良いかしら?” とテキストメッセージで訊かれた私は
”お葬式に行っても私は花を贈った事はない。” と応えた。
グループでお金を出し合い花を贈った事はあるけれど
私たち夫婦の名で花を贈った事が一度もないからだ。