金曜日はアートクラスから始まり
パッチワークキルティングをキルトさんと2時間した後
老人ホームに山口さんを訪問
先週は忙しくて訪問出来なかったので山口さんに会うのは2週間ぶりだ。
2週間前は3週間前に比べしっかりした口調で会話も出来
私たちはいつものように Youtube で日本の童謡やクラシックミュージックを聴いた。
アルツハイマーをお持ちの山口さんは毎週同じ事をして時間を過ごしても
毎回 まるで初めての事のように音楽がかかるや
驚きと一緒にぱぁーーと明るい顔になられたり
時には涙ぐんだ瞳で遠い昔にかえられたような表情をなさることもある。
でも今回はちょっと違った事をしてみようと
ホスピスに立ち寄り リベリーハープを借りて来た。
弾き方を知らなくとも弦をはじく事で心地よい音を奏でる楽器だ。
部屋のベッドで横になっておられた山口さんを
車いすに移動させてもらおう と
ナースエイドに頼んだら
”今日は調子がお悪く 椅子に座っていても前かがみになられてしまうんですよ
危ないですからベッドに横になったままでよろしいですか?” と
言われた私は
ベッドに横になった山口さんのお腹の上にハープを置き
弦をはじいて音を奏でた。
具合がお悪かった山口さんは
この日、はっきりとした言葉で会話が出来なかったけれど
ハープの音を耳に
”ド、、レ、、、ミ、、、” と言われているのが聞こえた。
山口さんの肩手をハープの上に置くと
指で弦をはじかれもした。
口元をほころばせ音に聞き入る山口さんに
空中を優しく飛びかう音符が見えるようだった。