”英語の先生とお別れして来た?” と寿司子に訊くと
”うん 先生はお化粧を綺麗にしててまるで眠っているようだったわ。” と
言った寿司子は中国では死化粧は珍しいように話す。
”貴方のように先生の事を忘れず感謝を伝えた生徒さんは少ないと思うのよ
先生が生きておられる時に十分気持ちを伝える事が出来て良かったよね。”
そんな事を寿司子に言うと
彼女が涙ぐむ。
”でね 私たちが行った時は夕方の6時を過ぎていたのに
まだ長い列が出来てたの、、。” と
それは沢山の方たちが
婦人とのお別れに来ていた事を寿司子が驚いたように話す。
”私の父が亡くなっても葬儀にくるのは私たち家族だけだわ。” と
末期癌で余命半年と宣告された父親の葬儀を想像し
寿司子が寂しそうに呟く
”私は行かせてもらうから 知らせてね。”
そう言うと いつもの大きな声を出し ガハハと寿司子が笑う。
父親が亡くなった場合を考え 遺体は火葬
遺灰は中国とアメリカに分け
アメリカにも墓地を買う事を考えている寿司子家族だ。