今回はスライド・ギターの話。
僕は意外とスライド・ギターって好きなんである。なんかこう、音が出る直前の“クイックイッ”という感じとか、“ヒューン”とか“グォー”とかいうフレーズとか、言葉で上手く表現できないのがもどかしいが(実際、こう言われても訳分かんない人も多かろう)、とにかくこういうのがたまらんのである(笑) やたら滑らせるのより、きちんとフレーズを弾いてるのだと尚よろしい(笑) 当ブログでも触れたが、先日のBBAセッションで、揺れ名人さんが見事なスライドを弾いてて、久々に感激してしまった。揺れ名人さんは、ご存知の通り(えっ?知らない?)我がFOREFINGERのベーシストなのであるが、実はギター歴が長く、自分のブルースバンドで10年以上もギタリストとして活動している人なのだ。そんな揺れ名人さんのスライドは実に素晴らしく、ほんと良い物聴かせて貰ったという気分になり、それ以降なんだかスライドが聴きたくてしょうがなくて、悶々とした日々を過ごしているのである(爆)
今、これをご覧になっている人で、スライド・ギターを知らない、という人はまずいないと思うが、一応説明しておくと、スライド・バーまたはボトル・ネックと呼ばれる筒みたいなのを指に装着し、弦の上を滑らせてギターを弾く奏法の事である。スライド・バーってのは、こんな感じ。
ギターをやってる人に言わせると、スライドは大層難しいそうで、指にはめたバーでは弦をしっかりと押さえる事ができず、ちゃんと弾く事が出来ないのだそうな。バーを弦に当てる際に、別の指で弦をミュートするのが基本らしいが、それもなかなか大変らしい。だから、スライド弾ける人は文句なしに尊敬する、と友人のギタリストは言っていた。それくらい難しいのだそうだ(よく分からんぞ)。
ただ、実は40近くになるまで知らなかったのだが、昔のブルースギタリストたちは、スライドでギターを弾くのが当たり前だったらしい。ギターの奏法のひとつにチョーキングというのがあるが、あれはスライドバーを使わなくても、スライドのような効果を出す為に編み出されたのだそうだ。なんと、ギタリストにとって基本中の基本であるチョーキングより、スライドの方が歴史が古いとは。僕は逆だと思ってた。そういえば、ジャズのギタリストって、あまりチョーキングしないなぁ。スライドも使わないみたいだけど(笑) だから、スライドしか弾けないギタリストからすると、「チョーキングできるなんてすげぇ」って事になるのだろうか。多分、それはないな(笑)
で、スライド・ギターと言えば、やはりデュアン・オールマンであろう。オールマン・ブラザーズ・バンドの創始者として知られる彼であるが、そのスライドのテクニックを見込まれて、ウィルソン・ピケット、アレサ・フランクリンなど数々のセッションに参加していたのは有名な話。そのプレイは、“スカイ・ドッグ”と称されるほど素晴らしかった。って、“スカイ・ドッグ”と言われると「すげぇ」と思うけど、直訳してみると“空犬”で、意味が分からん(笑) ま、空を駆ける犬のようだ、という事なんだろうけど、やっぱり意味不明(笑) ま、“スロー・ハンド”と同じで、英語で言われるとなんだか凄いと思ってしまうのだろうか。
と、言葉の意味はともかく、デュアン・オールマンのスライドは、マジ絶品である。僕は、ギターの技術的な事はさっぱり分からないので、好きなギタリストの基準は、1)音色 2)フレーズ 3)バッキングも含めたセンス・雰囲気 という事になるのだが、デュアン・オールマンは、このどれをとっても文句なし。キュンキュン言いながらのソロも素晴らしいが、指でもカッコいいソロ弾くし、実はアコースティック・ギターも上手いのだ。オールマン・ブラザーズ・バンド=ライブ、というイメージを持ってる人が多いと思うが、スタジオ盤を聴いてみると、デュアン・オールマンの凄さがよく分かる。決して、スライドだけの人ではない。スライドも凄いけど(笑)
あと、スライドの名手というと、ライ・クーダーの名前が出てくると思うが、僕はこの人ほとんど聴いた事ないので、何とも言えない(笑) ローウェル・ジョージもしかり。僕が思い浮かべるのは、ドン・フェルダー、ボニー・レイットあたりかな。ジョー・ウォルシュもいいね。ま、ドン・フェルダーやボニー・レイットとは違い、ジョー・ウォルシュの場合は、スライドをギミックとして使ってるような感はあるけど(笑) でも、この人も好きだからいいのだ。
個人的なイメージでは、スライドはアメリカ人が弾くものだが、イギリスにもスライドの名手はいる。ジョージ・ハリスンがそうだ。この人のスライドは、デュアン・オールマンとは全く違う、繊細で線の細いものだが、非常に哀愁たっぷりでたまらない。しかも、どこで聴いても一発でジョージだ、と分かってしまう、とても特徴あるスライドだ。彼はある時、ベリンダ・カーライルのレコーディングに参加してスライドを弾いたそうだが、後年エリック・クラプトンと来日してのインタビューでその話が出た時、クラプトンが「あれはやっぱり君だったのか」と言ったらしい。それくらいオリジナルなスタイルのスライドなのである。あと、同じイギリス人で、少々意外かもしれないが、エリック・スチュワートのスライドも好きだ。グゥ~~キュイーン、とせり上がってきて炸裂するプレイは、なかなかに凄い。この人の場合、ギタリストとしてはあまり評価されてないようだけど、実に勿体ない。10ccでも、そんなスライドプレイが存分に聴けるので、興味ある人は是非。
と、柄にもなく(笑)、ギターについて書いてしまった。世のギタリストの皆さん、ゴメンナサイ(何故か謝るヤツ) しかし、↑のデュアン・オールマンの写真を見ると、何故彼が“スカイ・ドッグ”と呼ばれたのか、分かるような気がしないでもない(笑)
いつも大変、ためになってます!!
私がドラムについて書こうと思っても・・・・・・、んんんんん、ダメだ、何も書けない。
もっと視野を広げないといけませんね。
(コレはマジにそう思います)
そうすることで、自分の音楽観に幅を持たせたいものです。
>あらゆるジャンルに造詣が深いんですね
いやいや、僕なんかまだまだですよ。そうおっしゃられると、嬉しいですが、照れてしまいます(笑)
>もっと視野を広げないといけませんね
視野が広い方がいいとは思いますが、無理や背伸びはする必要ないと思います。自然体で、楽しくやりましょうよ。普段のように^^
先日の揺れ名人さんのスライドにノックアウトされた一人です。
本当に彼のブルースハープを思わせるスライドは素晴らしかったですね。
私自身スライドは不得意で、あまり好んで聞いてきた訳ではありませんが、
ジョージ・ハリスンだけは別です(爆)。
その、ベリンダ・カーライルの話ですが、
【これは来日前のイギリスでのリハーサル現場を取材した時のインタビューでの会話のものです】
ジョージならではの素晴らしいソロを披露してますね。
ジョージのスライドは、基本的なブルースのスタイルとは全く違うアプローチで、繊細でメロディアスでポップなスタイルを確立したのだと思います。
悪く言えば、『指で弾けないのでスライドでやってみたら上手く弾けた』って言う次元からのものだったのかも知れませんが(笑)。
ジョージ本人も、そのような事を言ってたような・・・。
芸術は個性なり!!!
私は以前スライドバーの代わりに塩ビパイプを切断したやつを使ってました。
でも音の伸びが悪くてスライドプレイを練習するのは断念しました。
というより、単純に難しくてモノにならなかったと言ったほうが正しいです。
私もスライドプレイと言って真っ先に思い浮かぶのはデュアンオールマンです。
とくにフィルモアイーストでのプレイは、ギターが歌ってます。
イーグルスでは「ロングラン」や「ハートエイクトゥナイト」のスライドプレイがやっぱりいいですね。
ジョージはソロになってからのほうがスライドの名手って感じがします。
http://www.kuniokishida.com/
また一度お手合わせする予定…って何時になるやら…
(はよ納税できる身分になりたいたい…)
なによりも本人のセンスがものをいうので、技術的にがんばって練習しても、それだけではカッコよくならないですしね~。
それで凹んで練習もしないという悪循環に陥る分野ですね(笑)
>先日の揺れ名人さんのスライドにノックアウトされた一人です
ほんと良かったですよね。今まで、身近にあんなスライドを弾ける人はいませんでした。
>ベリンダ・カーライルの話ですが
この話、来日してからのインタビューではなかったのですね。失礼しました。で、ベリンダのこの曲、聴いた事はないのですが、正にジョージ印ってなプレイだそうで。
>指で弾けないのでスライドでやってみたら上手く弾けた
なんかジョージらしいって気がします(笑) 独特のスライドの名手ですが、スライドにこだわってる感じはしませんものね。
所で、←にもありますが、『ダーク・ホース』買いまして、「ファー・イースト・マン」を初めて聴いたのですが、思ったよりメロウな曲なんですね。もっと、南部っぽい曲かと、勝手に想像してました(笑)
♪にゅーめんさん
>単純に難しくてモノにならなかったと言ったほうが正しいです
やはり難しいんですね。スライド弾ける人は凄い、というのは本当だと。
>フィルモアイーストでのプレイは、ギターが歌ってます
冒頭の2曲のインパクトは強烈ですね。初めて聴いた時、これがギターだとは思えませんでした。
>「ロングラン」や「ハートエイクトゥナイト」のスライドプレイがやっぱりいいですね。
「イン・ザ・シティ」もスライド弾きまくりでいいです。あと、有名な「地獄の良き日」も(笑)
♪Jun Greenさん
>日本人でスライドの名手はこの人かな
お名前はなんとなく存じてました。ほんと凄い人みたいですね。現地でサザン・ロックの要人たちとレコーディングしてしまうとは...
>はよ納税できる身分になりたいたい
19年度にがっぽり納めるのでは?(笑)
♪センベーさん
>技術的にがんばって練習しても、それだけではカッコよくならないですしね~。
センベーさんもスライドは苦手ですか? ここにコメントして下さったギタリストの人たちは、皆さん得意でないようでねやはり難しいのですね。こっちは、気楽に聴いてるだけですけど(笑)
>それで凹んで練習もしないという悪循環に陥る分野ですね
まぁ、無理せず自然体で(笑)
チョーキングの王子といえば~
KISSの二番煎じとして華麗に現れ~華麗に散った(涙
超美形純白の貴公子軍団「Angel」の
ギタリスト=パンキー・メドウス!!!
今は日焼けサロンの店長で。
白い天使どころか~松崎しげる。。。
ヽ(´Д`;)ノアゥ…
しかし彼もチョーキングの天才と言われ、
KISSのAce脱退の時、すでに落ちぶれていたパンキーにメイクをしてAceにならないかと言われ~ぴしゃりと断ったと言う~やぱ王子は違うなっ!(惚っ
しかし、その後まさか日焼けサロン経営とは。。。
スタタタタタッ(((((((((((_´Д`)アイーン
「ファー・イースト・マン」は大好きな曲の一つです。
これは、ロン・ウッドとの共作で、彼のソロアルバムにも収録されていますが、そちらの方も、なかなか素晴らしいですよ!
ベリンダ・カーライルも是非聞いて下さい!
「LEAVE A LIGHT ON」と言う曲です。
↓
http://www.youtube.com/watch?v=lSfEm-2pgPY
そんなにスライドうまかったんですね~
次のFOREFINGERの練習の時にでも聞かせてもらおうかな♪(笑)