王位戦第三局で、行方先生がタイトル戦初勝利をゲットし、俄然面白くなって来た感じになった。
お酒がお好きな様で、指導に来られた時に、お酒に纏わる業界裏話しが、とても楽しかった想い出があります。
そんなこんなで応援してましたが、現在棋界最強のモードで羽生王位を逆転で勝利なのか、詳しい解説は来週の週間将棋を楽しみにする事にしよう。
▲3七銀に△6四角と、後手は専守防衛の形に構えるが。
▲4六角と出て、脇システムを王位は選んだ。
実は子ども達が、この脇システムが大好きで、定跡を知らなくても自然に手が角を運んでしまう図の様だ。
角を手にした方が、攻撃力があるし矢倉の詳細な定跡手順なんて、知らなくても良いから選ぶのかもしれない。
脇システムって、いつ頃から指される様になったのだろうか、たぶん管理人が25年間眠って居る間なんだろうかと。
観戦しながら、激指を裏で動かしていると、上の図までは定跡手となっていた。
先手も後手も、相手玉を倒せる攻撃が可能で、専守防衛で攻め切るか受け潰せるかの将棋より、面白そうで子ども達が選ぶもの無理のない話かもしれない。
振り飛車にも、矢倉で挑む。
なにせ、矢倉しか知らないのだから、お構い無しで組上げる。
(上の図から△8五桂▲8六銀△6五歩の図)
すると、右四間飛車で痛い目にあった、同じ様な攻め方をされ、タジタジになってしまう。
居飛車VS振り飛車は、良く飛車交換になる事も多く、こんな風に横から攻められると弱さが出てしまう。
と言うことで、相手が振り飛車党だと知っていれば、下の図のオープニングは、中級位者以下では難しいかも知れない。
相振り飛車でもOKなら、平然としていられるかも。
(プロでは、81%が▲2六歩の図)
角交換しない振り飛車党なら、ここから△4四歩として振り飛車にする。
居飛車急戦型で棒銀で攻めると、だいたいこんな風になる。
先手の王様は、後手の角の直射から一路外れていて、二段目に金が2枚並んでいて、横からの攻めに強い。
後手の王様より一路戦場に近いのが弱点だが、飛車・角・銀そして九州からサシコじゃないが、後から桂馬も参加出来れば理想的な攻めになり、攻めの強さで弱点をカヴァーする。
もし強くなりたければ、左美濃とか居飛車アナグマは、こんな急戦で難しい将棋を、とことん指してから向かった方が良い感じです。
いわゆる相撲界で言う「3年先の稽古」でしょうか。
上の図は、何回も出している右四間に対するフォーメーションだが、矢倉囲いとは程遠い姿になっている。
これも含めて、大きく矢倉戦と表現しているが、矢倉を覚えたばかりの子には、異次元の世界になって居る感じです。
上の図のフォーメーションは、早く▲6六歩を突いているので、角交換をしない穏やかな流れになる分、後手の角道がストレートになって居るので、急戦を仕掛けられやすいのが悩みの種でもある。
少し前のこの局面で、角道が止まった事を良いことに△7五歩とかして石田流にする手もあり、先手は居飛車で行くか相振り飛車で行くか迷う事になるが、矢倉屋さんは総じて振り飛車が苦手なので泣く泣く居飛車で行くが、角道が止まっている分、先制攻撃が出来ない形になってしまって、初級から中級へレベルアップした段階では、辛い戦いになるかもしれない。
この角道が止まっている事で強敵なのが、後手の居玉棒銀で将棋を覚えたばかりの棒銀一本槍かと安気に構えると痛い目にあう。
スルスルと棒銀で来る。
定跡手順を追うと上の図になるが、ここだけを見たら中飛車戦法かと思わせるシーンになっている。
この定跡のハイライトシーンは、△5四香の間接王手飛車を無視して▲6四歩と指し、と金を作る手だが、これも含めて矢倉戦だから、矢倉屋さんの苦労は絶えない。
矢倉を指すなら、矢倉にならない形の研究も必須になる。
少し詳しい解説は、⇒こちらから
プロ棋戦で25%の△8四歩
▲7六歩に△8四歩が矢倉戦のスタートになるのだが、矢倉にするなら▲6八銀だが、▲2六歩という手もあり、こちらのコースになれば、角交換系の将棋になるので△8四歩は、どちらも指せないと突けない手で王者の8四歩と言われている。
プロ棋戦で68%の△3四歩
アマもプロも圧倒的に多いのが、△3四歩からのオープニングで最近では、多くの場合ここから矢倉を目指す事になる。
変則だが、▲6六歩から
▲6六歩と突いて、ふつうの振り飛車のオープニングみたいに指して、△8四歩と居飛車で対抗しようと突いてくれた時に▲6八銀△6二銀で、矢倉定跡と合流。
合流図
普通矢倉は、銀⇒金⇒銀⇒金と4枚の金銀を交互に動かして、スクラムを組みながら前進するものだが、右四間の場合は、相手の銀がスルスルと前進してくる。
この動きに反応して構えられるようになれば、確実に1級は強くなれる。
(右四間で、来るんだね図)
相手の歩と銀の動きを見て、何かを予感できるようになれば、しめしめ1級昇級の道が見えて来ました。
(来たなら、待ってましたの図)
実際は、銀が出てくれば銀で、迎えてあげる。
(右四間お決まりのポーズの図)
右四間飛車は、お決まりの戦型で、いざ勝負で攻めてくる。
ポイントは、攻めを呼込むようだが、一手前の▲4六銀が勝負手で△6五歩を誘っている。
(戦闘開始図)
右四間側も有段者で、老獪な指しまわしをする人なら、行くぞと見せかけて△6五歩とはしないで、銀矢倉に変更する指し方もあるが、級位者の少年なら元気良く来るでしょう。
そして、こちらは▲5七銀上がると指して、上の図になりました。
(激戦その一図)
前の図から△6六歩▲同銀△6五歩に▲5五銀左!
(激戦その二図)
そして、△5五同銀▲同歩に△6六銀と打ち込んで来られたら、もうタジタジ状態になるが・・・・・・・。
▲5六金!と、ひらりと攻めをかわしてしまう。
次に▲6六歩で銀を取れれば、温泉旅行かな?
昨年度のA級順戦、佐藤王将(当時)と高橋九段との一戦。
ここまでは、少し形は違いますが、ほぼ類似形で同じように進む。
△5五同銀▲同歩まで同じだが、△4四歩から△4三銀として第二段階へ、先手も▲5六金から▲6七歩で自陣を整備する。
もっと激しいのは、こちらからお入り下さい。
ここら辺から、急戦で来るかもしれない。
ささゆり大会に出ていた、少年のお母さんから。
「うちの子、矢倉なんですが右四間にやられちゃって・・・」
なんて会話があり、どこでも同じ秋の夕暮れかと思いつつ、うちの教室でも初期矢倉屋さんは、そうだったし今も、同じ現象に悩まされていると改めて知って、ちと対策などを書いてみようかと思ってみた。
(ここまで来れば、棋神の如くの図)
矢倉に組んで、棒銀で攻める形で▲3六歩を突いてないのがミソで、6四角からの反撃が無い。
こうなると、クラス・学年レベルでは敵無しの神の領域で、一般大会で級位者レベルに出て、お相手が優しいお爺さんには、強い子だねと言われる。
(矢倉築城に、心が行ってしまうの図)
上の図になる前の、少し手前の図。
王様を囲ってから攻めましょうのセオリーは守っているが、違和感を感じる図を経由してしまう。
守りは立派だが、右の銀が一段目で動いていない。
こんな時に攻め込まれたら、反撃の狼煙を上げる前に、お一人様終盤戦になってしまいそう。
(カツオのイワシ漁の始まりの図)
矢倉さえ組んでしまえば、守備力が強いからと相手を見ないで進めると、鰯を狙うカツオが目の前に現れる事になる。
上の図から、△8五桂から攻められて、矢倉屋さんは、お一人様終盤戦の苦行が始まる。
右四間を指す子は、こればかり指してるから経験値の蓄積もあって、攻めが滅茶強い。
それプラス、中川八段の右四間シリーズで勉強している子は、型は違うが△7五歩を入れる筋も知っていてもっと手強い。
(イワシは、カツオに食べられえた図)
△8五桂に▲8六銀なんて手を指すと△6五歩でゲームセット。
△8五桂に▲4六角が最強の反撃だろうが、△7七桂成▲同金で頑張るも△4五銀打!が全ての先手の望みを消してしまいそう。
そこで、どうしましょう。