「家」 @ 鎌倉七里ガ浜 + 時々八ヶ岳

湘南七里ガ浜(七里ヶ浜とも)から発信。自分の生活をダラダラと書きとめるブログ。食べ物、飲み物、犬の話題が多い。

八ヶ岳西麓5月下旬の滞在(4) 山荘竣工から10年 / 原村

2009-06-02 09:25:54 | 八ヶ岳西麓の楽しい暮らし
原村(長野県諏訪郡)は小さい村だが、建物がある地域に限っても、ところにより標高で600m以上の差がある。高原野菜畑やハーブ等の園芸畑と農業大学の牧場があり、ペンション・ビレッジや畑の畦、道路わきで春から秋まで花が咲き乱れる。標高で言うと1100m以上のところは多くは森で、さらに上がると真東に鎮座する阿弥陀岳まで、ずっと山だ。村内には駅はなくて人口も希薄で、役場周辺を除くと、集落と言っても小さいものしかない。平らに切り開かれたな土地か、さもなければ鬱蒼とした急峻な山しかないことが多い日本では珍しく、緩やかな森や林が南側の富士見から原村を挟み、北側の茅野市へと続く。風景は牧歌的で、北海道的であり、やや欧州大陸風でもある。

東京から住民票を移して、今は原村の住民となったある人が「原村は桃源郷だ」と言った。十分な収入があって、森の中に家があれば、冬の寒さは厳しいけれど住むのにあんなに快適なところもなかなかないだろう。



原村は原村ファン倶楽部を運営している。私も会員のひとりである。村のファンを増やそうといろいろなアイデアを出し、イベントも開催している。尤も、これは原村に住民票を移し、村の人口としてカウント出来る人で、かつそこでちゃんと所得税も払おうという人を呼び込むことが狙いだろう。一方、固定資産税は多少村に払うものの、私のように遠隔地に住んで山荘に通い、村からすれば、私に与えた便益を考えると「持ち出し」となる人間は、想定外なのかもしれない。



原村の地形は単純だ。西麓というくらいだから、東に八ヶ岳があり、そっちが必ず高い。西が必ず低い。どんな方向音痴でも自動的に方角がわかる。中央高速の村から最寄りのインターチェンジは、諏訪南インターチェンジである。インターチェンジを出たら、八ヶ岳を目指して上がれば(=東に向かえば)良い。道路はやがてズームラインにつながる。最初は左右の風景と言えば畑ばかりだが、標高1100mを越えたあたりで、ごらんのとおり森が始まる。ここから上が、別荘地、あるいは新型村民、つまり都会からの転入者やペンションの多い地区となる。



別荘族を相手にする商売も多い。飲食店は数が多い。そしてパンの店。別荘建築業や不動産仲介業。ホームセンターも都会のものよりシャレた商品を揃えていたりする。高山植物を扱う園芸店。ハーブの店。A-Coopも土日やホリデー・シーズンになると買い物客の何割かは別荘族なので、それをターゲットにしているのではないかと思われる商品もそろえてあったりする。

この10年で大きく変わったのは道路だと思う。エコーラインなんてものはかつてはなかった。これが出来て、チェルトの森(という巨大別荘地が近隣、茅野市南部にある)はアクセスが格段に良くなった。エコーラインは標高1100~1150mあたりの森の中を南北に突っ切る無料スーパー一般道である。これが出来たおかげで、以前はなにもなかった所に立派な信号が出現した。

他にも、別荘地の新たな販売が村内で始まっている。下水道の普及率の上昇も見られる。



最後の画像が阿弥陀岳だ。原村のシンボル的存在で、原村でこれが見えたらその方向が東である。我が別荘地からもなんとかかろうじて拝み見ることが出来る。私は八ヶ岳が好きだからここに山荘を建てたのだが、八ヶ岳連峰を眺め見るには標高1600mの土地は高過ぎたようである。「八ヶ岳に近寄り過ぎると八ヶ岳は見えない」というパラドックスに陥っている。
コメント (4)
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