紅茶を飲むことが好きな人なら誰もが少しは茶葉を探したことがあるだろう。「私はこれしか飲まない」などと言いながら、たまにはもっと良い茶葉はないかと浮気している、ないしはそういう気持ちを持つことと思う。
繰り返しになるが、紅茶を私なりの生活パターンで「普通に」かつ「おいしく」飲むためには、茶葉について以下のことを守らねばならない。
①インド系茶葉、あるいはそれを多くブレンドしたストロングでブラックな茶葉の適度に良質なものを購入する
②開封したらその缶あるいは袋の茶葉は可及的速やかに飲み切るべき。だから我が家の消費量の場合、多種の茶葉を同時に揃えてあれこれ楽しむのは無理があり、メインに一種類を選んだらそれを常備して続けてがぶがぶ飲む。
③安い茶葉を探す
②は自分の心がけ次第だが、①と③は相いれないところがある。
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前にトワイニングの並行輸入品を紹介した。あちこちのスーパーで売っていて、価格的にも安く、しっかりしたミルクティーをつくることが出来るという点で、このイングリッシュ・ブレックファーストは有難い商品である。出自をたどればトワイニング家はかなり貴族的な紅茶商であるが、非常に庶民的に紅茶を供給している。
日本でトワイニングと並び称される紅茶商の雄リプトンだが、こちらの並行輸入品のリーフ・ティーは国内でほとんど出回っていない(ティーバッグはよく見かける)。国内の正規品がご覧のような缶(上画像)で販売されていて、並行輸入品を除き、私の好きなアッサムで「安価」かつ国内で簡単に入手出来る商品の中ではかなりの高レベルであろうと思う。いくつかの安価なアッサムを他のブランドで試してみたことがあるが、いずれも深みがなさ過ぎた。
私も自分の好みと経済性という2大条件を満たすためにそれなりに苦労しているのだ。
トワイニングのような紅茶商の巨人もいいが、もっと小さな紅茶商も英国には数多い。安定した品質やブレンディングを確保するのは難しいかもしれないが、個性的なお店を楽しむことが出来る。下の画像はそうした紅茶商のひとつでイングランド北西部の湖水地方にある。コッツウォルズ地方とともに湖水地方は日本人観光客、特に女性に大人気だ。実は湖水地方は核燃料絡みの話題に事欠かず、詩人W.ワーズワースから絶賛された風景の裏にはいろいろな政治問題が隠されている。日本と同じで原発は風光明媚なところに出来る。決して大都市には出来ない。
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話がそれてしまった。この紅茶商の茶葉の小売価格を見ると、今日時点でアッサムもアイリッシュ・ブレックファーストも500gが5.6ポンドである(ご注意!!500gの値段ですよ。日本によくある100gのパッケージではないです)。500g缶というのは家庭用としては相当大きい。それがわずか800円ほどだ。ここまで安くなくても、日本でもちゃんとした茶葉がもう少し安く買えるようにならないと、紅茶をそれぞれにちゃんと楽しむという風土は普及しないだろう。結局「安価だが感動がない」あるいは「感動的だが随分と高価なもの」に分かれてしまう。「普通においしい」が無いのである。
今のタクシー業界と同じだ。客は「こんな不景気なのに料金が高い」と敬遠し、ドライバーは「参入の自由化でタクシー台数が過剰になりお客が掴まらない」と嘆くが、経営の苦しいタクシー会社が料金を上げることを役所に申請し料金がジワジワと上がり、ますます客が減りドライバーの嘆きも止まらない。客もドライバーも不幸である・・・また話がそれた。紅茶の世界でも、茶葉の値段が下がって良質の紅茶がもっと頻繁に飲まれ、茶葉の卸も小売店も儲かり愛飲家も増大し、皆がハッピーという状態が望ましいだろう。
海外の紅茶の歴史や文化の本を読み、こうしてあちこち茶葉を探し、限られた頭で想像するのは、海の向こうには茶葉の大きな世界が広がっているのに日本人がそれを様々なスタイルで少し本格的にかつ気軽に楽しむには若干の困難があり、「紅茶を普通に飲む」カルチャーの実現には未だ至っていないということだ。売る側買う側どちらにとってもあまりうれしくない状態ではないだろうか。
繰り返しになるが、紅茶を私なりの生活パターンで「普通に」かつ「おいしく」飲むためには、茶葉について以下のことを守らねばならない。
①インド系茶葉、あるいはそれを多くブレンドしたストロングでブラックな茶葉の適度に良質なものを購入する
②開封したらその缶あるいは袋の茶葉は可及的速やかに飲み切るべき。だから我が家の消費量の場合、多種の茶葉を同時に揃えてあれこれ楽しむのは無理があり、メインに一種類を選んだらそれを常備して続けてがぶがぶ飲む。
③安い茶葉を探す
②は自分の心がけ次第だが、①と③は相いれないところがある。
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前にトワイニングの並行輸入品を紹介した。あちこちのスーパーで売っていて、価格的にも安く、しっかりしたミルクティーをつくることが出来るという点で、このイングリッシュ・ブレックファーストは有難い商品である。出自をたどればトワイニング家はかなり貴族的な紅茶商であるが、非常に庶民的に紅茶を供給している。
日本でトワイニングと並び称される紅茶商の雄リプトンだが、こちらの並行輸入品のリーフ・ティーは国内でほとんど出回っていない(ティーバッグはよく見かける)。国内の正規品がご覧のような缶(上画像)で販売されていて、並行輸入品を除き、私の好きなアッサムで「安価」かつ国内で簡単に入手出来る商品の中ではかなりの高レベルであろうと思う。いくつかの安価なアッサムを他のブランドで試してみたことがあるが、いずれも深みがなさ過ぎた。
私も自分の好みと経済性という2大条件を満たすためにそれなりに苦労しているのだ。
トワイニングのような紅茶商の巨人もいいが、もっと小さな紅茶商も英国には数多い。安定した品質やブレンディングを確保するのは難しいかもしれないが、個性的なお店を楽しむことが出来る。下の画像はそうした紅茶商のひとつでイングランド北西部の湖水地方にある。コッツウォルズ地方とともに湖水地方は日本人観光客、特に女性に大人気だ。実は湖水地方は核燃料絡みの話題に事欠かず、詩人W.ワーズワースから絶賛された風景の裏にはいろいろな政治問題が隠されている。日本と同じで原発は風光明媚なところに出来る。決して大都市には出来ない。
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話がそれてしまった。この紅茶商の茶葉の小売価格を見ると、今日時点でアッサムもアイリッシュ・ブレックファーストも500gが5.6ポンドである(ご注意!!500gの値段ですよ。日本によくある100gのパッケージではないです)。500g缶というのは家庭用としては相当大きい。それがわずか800円ほどだ。ここまで安くなくても、日本でもちゃんとした茶葉がもう少し安く買えるようにならないと、紅茶をそれぞれにちゃんと楽しむという風土は普及しないだろう。結局「安価だが感動がない」あるいは「感動的だが随分と高価なもの」に分かれてしまう。「普通においしい」が無いのである。
今のタクシー業界と同じだ。客は「こんな不景気なのに料金が高い」と敬遠し、ドライバーは「参入の自由化でタクシー台数が過剰になりお客が掴まらない」と嘆くが、経営の苦しいタクシー会社が料金を上げることを役所に申請し料金がジワジワと上がり、ますます客が減りドライバーの嘆きも止まらない。客もドライバーも不幸である・・・また話がそれた。紅茶の世界でも、茶葉の値段が下がって良質の紅茶がもっと頻繁に飲まれ、茶葉の卸も小売店も儲かり愛飲家も増大し、皆がハッピーという状態が望ましいだろう。
海外の紅茶の歴史や文化の本を読み、こうしてあちこち茶葉を探し、限られた頭で想像するのは、海の向こうには茶葉の大きな世界が広がっているのに日本人がそれを様々なスタイルで少し本格的にかつ気軽に楽しむには若干の困難があり、「紅茶を普通に飲む」カルチャーの実現には未だ至っていないということだ。売る側買う側どちらにとってもあまりうれしくない状態ではないだろうか。