我が山荘が建つ別荘地の隣に、
「アルピコ・グループによる四季の森こけもも平」という別荘地がある。私はこのこけもも平をとても良い別荘地だと思っている。まず誠に勝手ながら、私好みの標高が確保されている。十分に高いので、今後予想されるさらなる温暖化にも耐えられそうだ。不思議なもので、別荘オーナーは一旦高いところに慣れてしまうとそれより低いところの湿度、温度に耐えられなくなるらしい。蓼科に行くと標高1800mくらいの別荘地があるが、そこのオーナーになると、もうそこからはどこへも動けなくなってしまうので自宅にも帰れない・・・ウソ。
さらに、この別荘地は1区画あたりの最低面積を1200平米と定め(分割は不可)、大きな区画になるとデタラメに大きい。冷涼な気候と、ゆったりしたデザインの開発が、別荘地に清潔感をもたらしている。サービスは万全。立派な舗装道路に大きな側溝が整備され、除雪体制も問題なし。ゴミ処理、パトロールも十分で通年利用が可能だ。建築に関しても規制を受けるので、いきなり隣の森が伐採されミニ開発になり、スグそばにヘンテコリンな家が建ってしまうことや、カラオケスナックやら産業廃棄物置き場が出来ることもない。
なのに、この別荘地が販売開始から10年以上経った今も多数売れ残っていて、隣接する別荘地に通う我々としては寂しい限りだ。
アルピコ・グループの経営不振から、この別荘地の将来の管理サービスに関する不安を挙げる人がいる。しかしそれはどの別荘地にも起こりうることだ。あなたは明日交通事故に会うかもしれないし、あなたが勤める会社が明日倒産するかもしれない。それと同じだ。
例えば・・・同じ長野県で八ヶ岳の反対側、東麓には大手電鉄系の巨大別荘地がある。それはそれは立派に全体がデザインされ、素晴らしい別荘地だ。こけもも平同様の開発規制も布かれ、ヘンな建物もないし、区画もこま切れ状態にはなっていない。ところが何年か前、その電鉄会社の経営不振とともに別荘地の管理業務がまったく別の会社に委譲されてしまった。では問題が生じているかというと、そうではない。サービス内容が著しく替わった等のこともなく、従前通りの運営がなされている。また東京の大手ディベロッパーや電鉄系ではないが、小規模な資本の管理会社により営々と管理されている古い別荘地が、長野県内には他にもいくつもある。それで何か問題が生じているわけではない。一方山梨県側の八ヶ岳南麓には大変な問題が生じている大規模別荘地がある。なんとも不幸な変遷を経て管理業務が新しい管理会社に委譲され、その管理会社と別荘オーナーの間でかなりの軋轢が生じている。多くのウェブサイトでこの問題は説明、議論されているので参考になさるとよい。
結局何を選ぼうと同じことで、少々のリスクはあるわけだ。今大丈夫だから将来もずっと大丈夫というわけではないし、将来何か問題が生じてもそれに対する解決策があることも多い。さぁ、皆さん!八ヶ岳西麓高地別荘族の仲間入りをしませんか? 楽しいですよ。次の週末はキレイなこけもも平の見学に出かけましょう! でないと私もなんだか寂しいです。隣接する巨大な別荘地ががらぁ~んとして、空き地が多いのは・・・。
ということで、別荘オーナー予備軍の皆さんをこけもも平にご案内する。私じゃなくて犬が。以下に登場するのは茶々之介(犬の名前、以下「茶々」)、別荘オーナー予備軍の皆さん(以下「お客」)である。
茶々: 皆さぁ~ん、こんにちはぁ~! 私が茶々之介です。これから私が「コケモモへー」をご案内しますね~~。
お客: あのさぁこれって「コケモモダイラ」って読むんじゃないのかい?
茶々: げっ!そーなんですか??知りませんでした。とーちゃんとかーちゃんに連れられ5年前に初めてここへ来たんですけど、いままでずっと「コケモモへー」だとばかり・・・。
お客: なんだか頼りない営業マンだなぁ。どこの出身だい?
茶々: 本籍はアイルランドなんですがね、生まれは福岡たい。ANAに載せられ今のとーちゃん、かーちゃんのところに来て、それ以来人生ば、おかしくなっとるとよ。そして今は信州で別荘地紹介してるズラ。
お客: 数奇な運命だね。
茶々: そうズラ。しかしお客さん、ご覧下さい。立派な道路でしょ。誰も通らないのに舗装2車線でございますよ。冬も安心して上がれます。スタッドレスでね。最近は降雪も少なく、もう通年べッソー・ライフでございますよ。シラカバもキレイでございましょ。涼しげでございましょ。私はここの散歩が大好きなのでございます。
茶々: こけもも平のイメージカラーはピンクなんです。東西に細長い分譲地でしてね、図面で右端、つまり東側から左端の西側まで標高差は100m以上あって、木々の変化も多少は楽しめますですよ。「自分の土地だけでなく、周囲の別荘地全体が平坦でないと厭だわ」という人には向かないかもしれませんが、そういう平坦な別荘地は森や林にたいてい深みがありません。森に入った!と思ったらスグ森を抜け出てしまい、田畑や民家がたらたらと続く土地になるということが多いです。森に埋もれたいわぁ~というお客さんは是非コケモモへー、もといコケモモダイラへ! だってここは、南は三井の森さんに隣接してます。北側はもう広大な森です。柳川渓谷を挟んでずっと向こうまで森。東は阿弥陀岳頂上まで山林。どぉどぉ? あんさん、わくわくしまへんか? 今ここで決めなはれ! はんこ押しなはれ! 手付は10万円でどや?
お客: あんたリキ入ってるねえ。
茶々: そりゃもう。私もここが大好きなんですがね、とーちゃん、かーちゃんから是非宣伝してこい!と言われてますから。歩合制で、土地が売れたらドッグ・フード多めにもらえるかもかも。アッ、よだれが・・・。犬の生活も、いろいろと大変なのでございます。
茶々: 試しにこの土地を買ってみてはいかがですか?「販売中」の札も鮮やかに立ってます。十分な面積があります。明るいです。木々も大きく育ってます。私は好きですね。ついつい見惚れちゃいますよ。いつもこうやって私は眺めています。お隣にもすでに立派な別荘が。レンガ組みです。よくあるレンガ風タイルではないですよ。鉄筋入れて組んだ本物のレンガの壁です。良い区画だと思いますよ。買ってからドッグランにしてもらえると、すごくうれしいかも!・・・私的には・・・なぁ~んて。
お客: そんなことあるわけないでしょが。
茶々: ですよねーーー。そうでございますよね。私もね、いつも原村の農場や釜無川でとーちゃんやかーちゃんと遊んでますから。それで十分でございます。
茶々: このあたりの区画の売り物はこれですっ!真東に見えるアミダクジ・・・じゃなくって、阿弥陀岳。この姿に惚れる人は多いのです。これが真東に見えたらあなたは原村にいるということなのです。なんだか妙にゴツゴツガクガクして、八ヶ岳連峰の中でも珍しい男性的なフォルム! 阿弥陀岳を見て「あら力強いわ、筋肉質で、阿弥陀岳さんってステキ☆」とこけもも平を買う女性は数知れず・・・かどうかはわかりませんけど、どうですか?買いませんか?もうさっさとハンコ押しませんか?
お客: 山が見えたからって何だってぇ~の? 何か他に特徴はないの? これがコケモモダイラだ!って言うのさぁ。
茶々: あぁ~ら、お客様ったら。お目が肥えてらっしゃるんだから。そういう方にはここ。ほらっ、においが凄い。ちょっと失礼しますね。私もついついクンクンしちゃいます。ん~~~、これはね。。。午前中に絶対シカが通りましたね。おそらく2頭。そのあとこの1時間以内に永住者のワンちゃんが2頭。私も顔なじみなワンちゃんですがね。時間は特定出来ませんが、イタチも通ったはずだな。面白いでしょう?もう、たまりません、クンクン・クンクン。
お客: あのさぁ、こっちは犬じゃないんだから。そんなのメリットにならないのよ。
茶々: そーなんですか?私なんか、堪えられませんがね。シカの香りには興奮が収まらなくなるんですよ。アッ、そうですか、興味なしですか。わかりました。でもね、鳥も多いですよ。ここまで来るとキジはいません。キジが好きな方は鉢巻道路より下へどうぞ。ここでよく見かけるのは、カッコウ。直接聞いたことありますか?「カッコウ、カッコウ」って爽やかなんですよ。ちょっとズルイ手法で子孫を増やすセコイ鳥ですけど、高原のイメージにはもって来いなんです。シラカバとカッコウ。これがコラボするとあなたの別荘地の資産価値が増大します。そろそろハンコを・・・。あぁ~ダメですか。でもね、キセキレイ、アカゲラ、シジュウカラ、ホトトギス、ウグイスなんかもたくさんいますよ。アカゲラのドラミングなんて林間にステキにこだまします。奥様もウットリ。なんとミミズクも出ますよ。大きいです、フクロウと似てます。最近とーちゃんとかーちゃんはカモシカを見ました。クマはいません。どうです?面白いでしょ?
お客: へぇ~なかなかいいねえ。でもシカって植えた花食べるでしょ。
茶々: さすがっ、お客様。何でもご存じなのですね。本当にプロフェッショナルな別荘地バイヤーですわ。もうスリスリ・スリスリ。
茶々: そんなプロフェッショナルなあなたには、ここをご紹介しちゃいます。取って置きのスポットですよっ。道路から降りる急斜面。
お客: 道路から下る斜面って、選び方として最悪なんじゃないの。
茶々: もぉ~、いやっ!まったくぅっ! お客様ったら隙がないんだからっ。そのとおりでございます。敷地は正方形に近いほど、道路に1辺がきちんと面しているほど、望ましいのです。土地に傾斜は少なく、道路からフラット、ないしはわずかに上がるくらいまでがあくまで理想。でもですね・・・常に世の中には例外っちゅうもんがあるんですよ。眺望です。眺望をとる敷地は、悪条件をも跳ね返します。確かに盛土の斜面は怖いので、いくつか気を付けないといけないところはありますよ。
茶々: ほらっ、これをご覧ください。茅野市、諏訪市の市街地が・・・。遠くには諏訪湖も。アルプスも。原村も含め6市町村全部諏訪です。諏訪はひとつ!なんてキャンペーンもありました。今はないけど・・・。ここを買えばお客さんもお山の大将。毎日この眺望があなたのものにぃぃぃぃぃっ!! 自分の領土を眺める王の気分。諏訪地方を席巻したも同然でございますワンワン。どぉでございますぅぅぅっ??? 手付を打ちませんか?
お客: なかなかいいねぇ。しかし私は眺望よりも、安全というか、セキュリティーだな。平坦で平和な土地に普通に小さな小屋を建てたい。
茶々: もぉぉぉ~っ、お客様ったら、手堅いわ。そーです、そのとおりです。こうなったら、なんでもお客様の言う通り。だったらココ!この区画はお客様のためにあるようなもの!とにかく広い。しかも平ら。木々は大きく育ち、しかも明るい。そしてそして何よりも安全面・・・ほらっ、区画内に消化栓とホース格納庫もあるんですよ。別荘地の森全体が火事になっても、お客様の別荘だけは無傷で終わることでしょう。これでガンガン水撒いてみませんか。しかもこの土地、見惚れてしまうほどの美しさです。
お客: なぁ~るほど。こりゃ確かに安全だねぇ。
茶々: でしょぉぉぉぉ~!!! こけもも平は良い別荘地なんですよ。しかもですね、このあたりの特徴として、トンボが多いということが挙げられます。ふるさとの心を日本人が忘れ去ってしまった今、トンボがそれを思い起こさせてくれます。今はこの茶色っぽいトンボですがね、8月も終わりになると、冷涼なこのあたりでは早くも赤トンボが一杯で風景は真っ赤っか。それはそれはキレイなものですよ。どうでございますぅ??? 予約申込書にハンコを・・・。