JAL最後のサムライ機長 | |
小林宏之 | |
ポプラ社 |
知人に勧められて標記の本を読んだ。筆者はJALの機長、今は、定年して、危機管理、リスクマネジメント、管理職セミナーなどの講演を行っているそうだ。
印象に残ったことが二点。一点目は、危機管理の要諦。航空機事故の70%以上はヒューマンエラーが関与している。「愚直なまでに基本・確認を徹底する」ことが事故を防ぐことになる。しかし「ほんとうにやったの?」と言えば、疑ってかかることになるため、「確認の意味ですが」と付け加えれば負担を感じないそうだ。
もう一点。ヒューマンエラーで一番多いのが、コミュニケーションエラー。「滑走路の手前で待機するように」という指示があったのに、「滑走路を横切ってよし」と聞いてしまう。これは、ウイッシュフル・ヒアリングといって「こうなったいいな」という自分の思い込みが都合よく聞きとってしまう。これは人間の性質である。重要なことは復唱すること、重要なことを復唱するのはパイロットのマニュアルにもなっているそうだ。
ということで1時間半ほどで読んでしまった。