碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

『RED/レッド』は、“熟年アクション・ムービー”の傑作だ

2011年02月02日 | 映画・ビデオ・映像

映画『RED/レッド』を観た。

『フライトプラン』のロベルト・シュベンケが監督したスパイ・アクション・ムービーだ。

かつてCIAで活躍し、今はリタイヤしている敏腕工作員たちが、内部機密を守ろうとするCIAから命を狙われるはめに。

しかし、「RED(最も危険な年金生活者)」は、そう簡単にくたばってなんかくれない(笑)。

チームを再結成して、しっかり反撃に出るのだ。

これが結構面白い。

見せ場もたっぷりある。

そして、この映画の話題は、何てったって豪華なキャスティング。

ブルース・ウィリス
モーガン・フリーマン
ジョン・マルコヴィッチ
ヘレン・ミレン
リチャード・ドレイファス
アーネスト・ボーグナイン
等々

このメンバーだけで映画好きはニコニコしたくなる。

しかも、みんなきっちり“いい仕事”をしているのだ。

ブルース・ウィリスは最近の作品の中で一番いい(笑)。

モーガン・フリーマン は、そこにいるだけで“有難感”がある。

ヘレン・ミレンの狙撃を得意とする元・女性工作員も素敵だ。

ジョン・マルコヴィッチは、相変わらず「ちょっと変わった人」をやらせたら凄い。

リチャード・ドレイファス(「ジョーズ」「未知との遭遇」)もだが、アーネスト・ボーグナイン(「ポセイドン・アドベンチャー」ですよ)が出てきたのはサプライズって感じで嬉しかった。

そうそう、リタイヤした往年の腕利きたちの再集合というと、『スペース・カウボーイ』(2000年)もよかったなあ。

スペースカウボーイ 特別編 [DVD]


言葉の備忘録46 つかこうへい『文藝別冊 つかこうへい』

2011年02月02日 | 言葉の備忘録

KAWADE夢ムックの新刊『文藝別冊つかこうへい 追悼特集 涙と笑いの演出家』(河出書房新社)を読む。

昨年7月10日、つかさんが62歳で亡くなってから、半年以上が過ぎた。

この本には、つかさんをめぐるインタビュー、エッセイ、論考などがぎっしりと詰まっている。

あらためて、劇作家・演出家・作家「つかこうへい」の幅と奥行きを感じさせてくれる。

その中に、つかさん本人が50の質問に答えた“生き方指南”があった。

笑ったのはクルマに関するやりとりだ。

ずっとゴルフやベンツに乗ってきたつかさんが、当時はセルシオを使っていた。

高速でベンツがエンストして「恥ずかしかった、辛かった」そうで、「だから今度は信用できるのをと思ってな。だから国産が一番」。

「やっぱり日本の車はしっかりしとるぜ」だって(笑)。



誠実を武器にしないと生きていけないじゃない、これからっていうのはさ。
――「つかこうへいに50の質問」(月刊「カドカワ」91年8月号)