25日、浜光雄(児童文学者・はまみつを)先生の葬儀・告別式が行われた。
弔辞を読ませていただいた。
いや、書きものにしなかったので、読み上げたのではなく、先生の遺影に向かって、ひたすら語りかけた。
ざっと以下のようなことを、だ。
中学の担任であり、国語の先生だった。
宮沢賢治の詩「稲作挿話」1篇を、1週間にわたって授業で語る異色の先生。
この頃、すでに第1作品集『北をさす星』を上梓していた先生。
圧倒的な影響を受けた。
中学卒業後も、「浜学校」「浜私塾」に入門するように、私淑。
高校、大学、そして社会人になってからも、年に2回、先生にお会いし、延々と互いの「今」と「これから」を語り合うことを、40年にわたって続けてきた。
この40年間いつも、そして最後まで書き続けていた先生。
そんな先生と向かい合うことは、私にとって、「その時点の自分」を再確認する意味があった。
自分が進んでいる方向は間違っていないか。
自分は怠けていないか。
自分は本気で生きているか。
先生は、いわば荒波に揺れる船に光を投げかけてくれる「灯台」のような存在だった。
もしくは、山や森で道に迷った者に自分の位置を教えてくれる「北極星(北をさす星)」のような存在だったのだ。
先生はこうおっしゃっていた。
「人の心は言葉が育てる」
先生の言葉は、100冊を超える著作の中にあふれており、私はこれからもその本を通じて先生から学び続けることが出来るはずだ。
だから、お別れの言葉ではなく、「長年ありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いします」と言いたい。
・・・・先生は、不肖の弟子の乱暴な弔辞を、きっと苦笑しながら聞いてくださったのではないか。
我が恩師。
我が師匠。
浜光雄(はまみつを)先生。
2011年2月22日逝去。
享年77。
合掌。