クリント・イーストウッド監督の最新作『ヒアアフター』を観てきた。
主演、マット・デイモン。
ヒアアフターは「来世」と訳すのかな?
「死後の世界」という意味でもある。
霊能力者、つまり“見えちゃう”人生も辛いんだね。
でも、それによって救われる人たちもいるわけで。
イーストウッド監督の「死」に対する真摯な思い、死者への敬いが感じられた。
それは同時に、「生」を大切にすることでもある。
たぶん、この映画は、“不安の時代”に対するイーストウッドの答えのひとつなのだと思う。
パニックシーンもあったりするが、全体は静謐なトーンだ。
マット・デイモンはもちろん、双子の少年を演じたジョージ&フランキー・マクラレン、そしてジャーナリスト役のセシル・ドウ・フランスもいい。
監督自身による音楽も、ずっと聴いていたくなる。
しかし、エンドロールになった時、まだこの物語の続きがあるような気がして、しばらく席を立てなかったのも事実。
「これで終わりですか?」という、かすかな物足りなさ。
ないものねだり。
でも、やはり終わりなんですね(笑)。
“この先”というか、“その後”は、それぞれがイメージすればいい。
そんなふうにイーストウッド監督は言っているんでしょう、きっと。
そうそう。
冒頭のシーン。
海辺のホテルから見える風景。
向かいにある島、手前の海岸線。
「あれ?見覚えがある」と思ったら、このシーン、やはりマウイ島でロケをしていました。
(マウイから見たラナイ島)