碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

テレビという「窓」

2011年02月15日 | テレビ・ラジオ・メディア
(新宿駅東口の生中継映像)


深夜、ずっとNHKをつけっぱなしだ。

仕事をしながらだが、気にならない。

音声は、ひたすら静かなピアノ曲だけ。

画面は無人カメラが映す風景だ。

その風景が時々切り替わる。



「大雪関連情報」のための措置なのだが、かなり気持ちのいいBGMならぬBGVだ。

映像がリアルタイム、生中継というのがいい。

遠くが見える「窓」。

「窓」の外は雪だ。

普段、こういうチャンネルが1つくらいあってもいいなあ(笑)などと、ふと思ってしまう。


「リポーター」が不要な時もあるのだ

2011年02月15日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

『日刊ゲンダイ』に連載中の番組時評「テレビとはナンだ!」。

今週は、「夢は日本のハリウッド」(TBS)について書きました。

テレビユー山形の力作です。


リポーターの騒がしさが残念だった映画村ドキュメンタリー

「建国記念の日」の朝、第21回JNN共同制作番組「夢は日本のハリウッド」(TBS)が放送された。

山形県にある「庄内映画村」に密着したドキュメンタリーだ。

庄内地方で撮影された映画としては「蝉しぐれ」や「おくりびと」などがある。

背後には映画撮影の誘致や支援を行う組織「フィルム・コミッション」の協力があった。

庄内映画村はその発展形であり、地元の法人や個人が出資した株式会社だ。

ここをけん引しているのが映画「蝉しぐれ」の元プロデューサーと元市役所職員。

番組は二人の取り組みを追いながら進んでいく。

映画関係者のロケ地探しに同行し、行政側に支援を求め、オープンセットの建物を増やすために奔走する。

映画撮影が行われれば観光客を呼べるし、地域の活性化にもつながるからだ。

しかし、誘致は簡単ではない。映画「兵隊やくざ」は中国ロケに変わり、「のぼうの城」は山梨県で撮影されることになる。

成功例だけでなく、事業の難しさもしっかり見せている点がこの番組の良さだ。

また1年間の長期取材は地元のテレビユー山形の頑張りである。

本木雅弘のナレーションは、「おくりびと」で世話になった庄内地方への思いを感じさせる温かみがあった。

一方、リポーターである映画コメンテーターのLiLiCoが、ただ騒がしいだけだったのは残念だった。

(日刊ゲンダイ 2011.02.14)