2月22日午後、浜光雄(児童文学者・はまみつを)先生がお亡くなりになった。
中学の担任と生徒として出会ってから、40年以上にわたって師事してきた先生。
文字通りの恩師である。
最後にお会いしたのは、約1ヶ月前の1月21日だ。
場所は、入院先である松本市の病院の一室。
年に2度、お盆と正月に、先生のお宅にお邪魔して互いの半年間の報告をするのが、この40年来の恒例行事だった。
ところが、今年の正月は、先生の体調のこともあり、叶わなかった。
この日、病室で二人が話したのも、いつものように「今」のこと、「これから」のことばかりだった。
別れ際、先生は「次は夏に会おう、その時は冷たいビールで乾杯だ」と約束した。
それが実現しないかもしれないことを、先生は知っていらしたのかもしれない。
しかし、私を送り出す言葉は、この40年間と変わらず、「また来いよ。元気でな」だった。
正直なところ、今はまだ、先生の“不在”を納得できていない。
明日25日、信州で葬儀・告別式が行われる。
納得できないままだが、先生の遺影の前に立たねばならない。
不肖の弟子だが、不肖なりに、しっかりと先生を送らねばならない。
これも無言の約束のような気がするからだ。
<はまみつを 主要作品>
『北をさす星』
『わが母の肖像』
『サイタサイタ』
『白樺伝説―この愛の教師たち―』
『春よこい』 赤い鳥文学賞
『レンゲの季節』 塚原健二郎文学賞
『赤いヤッケの駅長さん』 産経児童出版文化賞