碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

浜光雄(はまみつを)先生の逝去

2011年02月24日 | 日々雑感

2月22日午後、浜光雄(児童文学者・はまみつを)先生がお亡くなりになった。

中学の担任と生徒として出会ってから、40年以上にわたって師事してきた先生。

文字通りの恩師である。

最後にお会いしたのは、約1ヶ月前の1月21日だ。

場所は、入院先である松本市の病院の一室。

年に2度、お盆と正月に、先生のお宅にお邪魔して互いの半年間の報告をするのが、この40年来の恒例行事だった。

ところが、今年の正月は、先生の体調のこともあり、叶わなかった。

この日、病室で二人が話したのも、いつものように「今」のこと、「これから」のことばかりだった。

別れ際、先生は「次は夏に会おう、その時は冷たいビールで乾杯だ」と約束した。

それが実現しないかもしれないことを、先生は知っていらしたのかもしれない。

しかし、私を送り出す言葉は、この40年間と変わらず、「また来いよ。元気でな」だった。


正直なところ、今はまだ、先生の“不在”を納得できていない。

明日25日、信州で葬儀・告別式が行われる。

納得できないままだが、先生の遺影の前に立たねばならない。

不肖の弟子だが、不肖なりに、しっかりと先生を送らねばならない。

これも無言の約束のような気がするからだ。


<はまみつを 主要作品>

『北をさす星』
『わが母の肖像』 
『サイタサイタ』
『白樺伝説―この愛の教師たち―』
『春よこい』 赤い鳥文学賞 
『レンゲの季節』 塚原健二郎文学賞 
『赤いヤッケの駅長さん』 産経児童出版文化賞