6 保育士は家族です
―第八保育園の問題
質問 次に、この間の第八保育園の指定管理者選定に関わる問題についてお尋ねします。
市立第八保育園は、十年前に東京都から移管され、社会福祉法人ユーカリ会に委託されました。
そして、三年前、保護者に殆ど説明も無いまま指定管理者制度が導入され、ユーカリ会が横滑りで受託。そして今回の騒動です。私は敢えて騒動と申し上げます。
市長は記者会見で、今回の結果を保護者の指定管理者制度への理解を得る努力が足りなかったと言われました。
しかし、問題は本当にそこでしょうか。
私は、この夏全国の保育士、保護者、研究者、経営者が集う保育団体合同研究集会に参加しました。
分科会で、公立保育園や社会福祉法人の園長や保育士、
そして民間委託の当事者となった保護者から、異口同音に報告されたことは、
こうした問題で一番傷ついたのが子どもたちだったと言うことです。
民間委託は反対だけど、せめて良い法人にと保護者の求めに応じて受託した側でさえ、
新しい保育所に保育士を送り出す側の子どもたちを傷つけたと涙ながらに報告されたのも衝撃でした。
保育所とは、共働き、一人親、病気などで子育てが困難などの家庭の保護者と共に子育てに取り組む福祉施設です。
そこで働く保育士は、子どもにとって保護者に次ぐ二人目の母であり、父であり、家族です。
赤ちゃんから育ててくれ、年長さんになった時、
「お姉ちゃんだね~」
「跳び箱飛べるようになったね~」
「来年一年生だね」 と、
誰よりも認め、褒めてくれるはずの家族が、ある日を境にいなくなる。
大切な人を子どもたちから奪ってしまうのが指定管理者制度であり、民間委託です。
第八保育園の保護者から私ども議員に託された要望にもこうしたことが切々と書かれていました。
今回の指定管理者の選定に応募した法人は、保育士を全員そのまま雇う計画を持っていたと聞いています。
しかし、それまでの法人の方針を是として保育に当ってきた保育士達が、その保育を否定されたに等しい状況下で働き続けられるでしょうか?
今回の第八保育園の問題が市に突きつけたものは、
巷間言われている「選定委員会に誰が入っているか」と言う問題でも、
第一候補者がどの法人かと言う問題でもなく、
保育とは何か、
保育はどうあるべきかという基本的な問題だったのだと私は考えます。
そういう意味で、今回の指定管理者の変更が子どもたちにどのような影響を与えるか、家族を奪われるに等しい苦しみを子どもに与えると言う認識がおありだったかをまずお尋ねいたします。
さらに、保育とは何か、どうあるべきかという問題でもお考えをお聞きしたい。
また、第八保育園の今後のあり方をどのように考えておられるかも答弁を求めます。
また公立保育園の民間委託の問題であわせてお尋ねをいたします。
答弁 一定期間を定め、新旧の管理者とよく協議し、子供を傷つけることが無いよう取り組むつもりであった。直営、公設民営、民説民営いずれも子どもの視点や人権を考慮すべきと考える。
今後(第8の)指定管理者の在り方含め、担当部署と協議したい。
公立保育園の民間委託はやめるべき
質問 公立保育園の民間委託も行革の俎上に上がっています。
経費削減がその最大の理由であることは今回と同じです。
保育とは、人が行うものです。経費の削減とは保育者の処遇の低下に他なりません。
子育てを担う働き手の処遇の低下は、子どもの利益の低下に直結します。
今回の第八保育園の経緯が示すように、大きな混乱を招くのは目に見えています。子どもたちの健やかな成長のためにも、子どもたちから家族を奪うに等しい公立保育園の民間委託の方針は撤回すべきだと思いますが、答弁を求めます。
答弁 行政分野への民間活力活用は時代の趨勢。他自治体でも保育園の民間委託が増えている。保育園の課題、待機児解消にも指定管理者制度は方法のひとつと思う。
―第八保育園の問題

市立第八保育園は、十年前に東京都から移管され、社会福祉法人ユーカリ会に委託されました。
そして、三年前、保護者に殆ど説明も無いまま指定管理者制度が導入され、ユーカリ会が横滑りで受託。そして今回の騒動です。私は敢えて騒動と申し上げます。
市長は記者会見で、今回の結果を保護者の指定管理者制度への理解を得る努力が足りなかったと言われました。
しかし、問題は本当にそこでしょうか。
私は、この夏全国の保育士、保護者、研究者、経営者が集う保育団体合同研究集会に参加しました。
分科会で、公立保育園や社会福祉法人の園長や保育士、
そして民間委託の当事者となった保護者から、異口同音に報告されたことは、
こうした問題で一番傷ついたのが子どもたちだったと言うことです。
民間委託は反対だけど、せめて良い法人にと保護者の求めに応じて受託した側でさえ、
新しい保育所に保育士を送り出す側の子どもたちを傷つけたと涙ながらに報告されたのも衝撃でした。
保育所とは、共働き、一人親、病気などで子育てが困難などの家庭の保護者と共に子育てに取り組む福祉施設です。
そこで働く保育士は、子どもにとって保護者に次ぐ二人目の母であり、父であり、家族です。
赤ちゃんから育ててくれ、年長さんになった時、
「お姉ちゃんだね~」
「跳び箱飛べるようになったね~」
「来年一年生だね」 と、
誰よりも認め、褒めてくれるはずの家族が、ある日を境にいなくなる。
大切な人を子どもたちから奪ってしまうのが指定管理者制度であり、民間委託です。
第八保育園の保護者から私ども議員に託された要望にもこうしたことが切々と書かれていました。
今回の指定管理者の選定に応募した法人は、保育士を全員そのまま雇う計画を持っていたと聞いています。
しかし、それまでの法人の方針を是として保育に当ってきた保育士達が、その保育を否定されたに等しい状況下で働き続けられるでしょうか?
今回の第八保育園の問題が市に突きつけたものは、
巷間言われている「選定委員会に誰が入っているか」と言う問題でも、
第一候補者がどの法人かと言う問題でもなく、
保育とは何か、
保育はどうあるべきかという基本的な問題だったのだと私は考えます。
そういう意味で、今回の指定管理者の変更が子どもたちにどのような影響を与えるか、家族を奪われるに等しい苦しみを子どもに与えると言う認識がおありだったかをまずお尋ねいたします。
さらに、保育とは何か、どうあるべきかという問題でもお考えをお聞きしたい。
また、第八保育園の今後のあり方をどのように考えておられるかも答弁を求めます。
また公立保育園の民間委託の問題であわせてお尋ねをいたします。

今後(第8の)指定管理者の在り方含め、担当部署と協議したい。
公立保育園の民間委託はやめるべき

経費削減がその最大の理由であることは今回と同じです。
保育とは、人が行うものです。経費の削減とは保育者の処遇の低下に他なりません。
子育てを担う働き手の処遇の低下は、子どもの利益の低下に直結します。
今回の第八保育園の経緯が示すように、大きな混乱を招くのは目に見えています。子どもたちの健やかな成長のためにも、子どもたちから家族を奪うに等しい公立保育園の民間委託の方針は撤回すべきだと思いますが、答弁を求めます。
