除染済みの田んぼです

2014-08-13 12:55:13 | 原発問題について


上の写真は 福島の除染済みの田んぼです。
表面を覆う真っ白い砂が 夏の日差しに照らされ まぶしいほどです。

しかし、本当は目前に広がっているべきは
真っ黒な肥沃な土に水をたたえた田んぼのはずです。

いま、あぜ道の緑で淵囲いされた真っ白い畑、田んぼを見下ろしながら
たまたま行き会った農家のご主人が
「この田圃返されたってどうして米作る?」
と、憤って話されました。

もともとここらの土地は
営まれている酪農の牛糞など有機肥料を使い
先祖代々営々と 何百年も土作りに励んできた土地だそうです。

その肥沃な田や畑の表土を重機ではぎ取り
そのかわりに真っ白な砂が入れられたというわけだそうだ。
行ってみて、
聞いてみて初めて分かった農地の除染の実態
除染とは 当面畑を使えなくすること と同義語でありました。

「この白い砂で、作物は育たない
ここから数年 元の肥沃な土地にするため
土づくりから始めなければなんない」
と、先のご主人は言う。

その間の所得補償はどうなるのだろう
国は東電と交渉しろというだけだそうだ。
国策として原発を福島に作ったのに
事故後の後始末は国の責任ではないと言っているのだ。

青い袋には 除染した土が1トン入っています。
この袋が 行く先々の道端、田や畑のわきに無数に積んであるのです。

福島の人々は
「何度でも見に来てほしい」と口々に言います。
11月に 3度目の福島被災地を訪れるツアーを計画しています。

それと知らなければ長閑な山裾の農村風景です。
でも知ればそこは原発事故の被災地です。
今後の営農の見通しも立たない土地にさせられていました。
農家のご主人の 口惜しさが 現地に立って実感できました。