染織工房きはだや 「店主の独り言」

きはだや店主が今日の出来事を語る。喚く。話す。切る。
でも日記は苦手。
皆様の気軽なコメントをお待ちしています。

イチゴを見て思い出すこと。

2020年05月04日 | 店主の一日
この時期、イチゴを見ると思い出す事がある。
中学生の時に映画「あぁ、野麦峠」を見た僕は、「いつかあの場所を歩いてみたい」と思っていました。
実現したのは大学三年生の時。
健在であった「あぁ、野麦峠」の著者、山本茂実先生に手紙を書いたのです。
「野麦峠を歩いてみたい、ついては女工さんをした経験のある人に話を聞きたいので、紹介してもらいたい」と。
山本先生から返事をいただいて、小金井のご自宅に伺ったのはちょうど、五月の連休が明けた頃でした。
今、思うとなんだかよくわからない学生を呼んでくださったなあと。
いい時代でした。
エピソードはたくさんあるのですが、今回の主役はイチゴ。

山本先生のお宅にお邪魔して、話を伺っていると奥様がイチゴを出してきてくださいました。
お皿にイチゴと牛乳を入れて砂糖をかけて。こんな感じですね。


最近、こういう形で出てくるのを見ることは減りましたが、30年前はかなりスタンダードだったと思います。
普段ならイチゴを潰して食べるのですが、先生のお宅で出てくるとなると話は別です。
どうも、潰して食べるのは行儀が悪いように思えてなりません。
それに潰すのに失敗して、スプンの下でイチゴが「けろん」と転んで牛乳でも飛ばしたら酷いことです。
それにイチゴを潰した後の牛乳をどうやって飲んでいいのかも全く見当がつきません。
そもそも、「牛乳、イチゴ、砂糖」の組合せで上品な食べ方などないのかもしれません。

「山本先生の真似をして食べたらいい」って思うでしょう。みなさん。
今なら、そう思えます。
でも、当時の僕はイチゴの出現で「やばい」と頭が真っ白になってしまい、先生を真似るなんて全く思いつきませんでした。

先生がどうやってイチゴを召し上がったかは全く覚えていません。
もしかしたら、イチゴが出てきたのは僕だけであったのかもしれません。
結局、僕はイチゴだけを先に食べ、後から牛乳をスプンで掬って(でも、スプンの先の割れ目から溢れるのですよ)
最後は皿に口をつけて飲みました。
今、思いかえすとおかしくて仕方ないような話です。


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鯉のぼりに見る。

2020年05月04日 | 店主の一日
今年はコロナ禍でありとあらゆるイベントが中止になっています。
普段通りチューリップも満開になり、山菜も食卓にもぼり、天気もいいので布団を干します。
しかしイベントがないというのはさびしいものです。
こう、なんというか「人為的な匂い」を欠かしているとなんだか、色彩が一色足りない感じです。

それでも車で市内を走っていたら、「イベント」とは言えないまでも、鯉のぼりがたくさん泳いでいました。
明日は端午の節句。
こんな閉塞化の強い日常でも子供達が遊んでいるのを見ると、その場所はとても神聖な場所のように思えます。
子供達には開けた未来があります。
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