ロシア漁業ニュースヘッドライン

北海道機船漁業協同組合連合会
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一般社団法人北洋開発協会

ロシア下院が太平洋サケマス流し網漁業禁止法案を受け取る

2014-12-20 05:09:44 | 日記

2014年12月19日
モスクワ発
[ロシア下院が太平洋サケマス流し網漁業禁止法案を受け取る]
ロシア下院は、ロシア領海と排他的経済水域における、流し網による太平洋サケマス商業漁業を2016年から禁止させるための国会議員のグループによる法案を受け取った。
法案説明では、ロシア排他的経済水域における太平洋サケマス流し網漁業は、当該魚種の再生産と沿岸地域経済に悪影響を与え、食糧安全保障のレヴェルを低下させていると指摘、この漁業の停止を求めている。
当該“漁業と水棲生物資源保護に関する連邦法”の改正の発効の時期については、2016年1月1日を提案しており、そうした場合、1985年5月12日付ソ日漁業協力協定にかかる組織的な手続きと極東漁業規則への適合作業が必要となる。
この問題についてロシア太平洋サケマス流し網漁船15隻の船長は、2014年12月17日、ロシア漁船からロシアの海を引き離すことは、*米国のサケマス供給者の利益だけを残すことだと、ロシア大統領プーチンに対し緊急の要請書を送付している。
(*報告担当者 原口聖二:仮に流し網漁業が再編されたならば、市場にベニザケを供給できるのは、主にカムチャツカと米国の沿岸漁業者だけになるということ。)
要請書では、極東海域における太平洋サケマスの全体の生産量が増加傾向にある中、流し網漁業による漁獲量の割合が、2009年から変わらず4%未満であることを指摘し、これを主張する国会議員の行動は米国の利益を優先する恥じるべきもので、その引用しているデータも米国非政府組織によるもののみ依存していると批判している。

(関連過去報告)

2014年12月18日モスクワ発
[ロシア流し網漁船船長がプーチンに要請書を送付]
ロシア太平洋サケマス流し網漁船15隻の船長は、ロシア漁船からロシアの海を引き離すことは、*米国のサケマス供給者の利益だけを残すことだと、ロシア大統領プーチンに対し緊急の要請書を送付した。
(*報告担当者 原口聖二:仮に流し網漁業が再編されたならば、市場にベニザケを供給できるのは、主にカムチャツカと米国の沿岸漁業者だけになるということ。)
問題は、ロシア連邦評議会と国会議員のメンバーによる法案である。
法案では、ロシア領海並びに排他的経済水域における遡河魚種を対象とした流し網漁業が2016年1月1日から禁止されることとなっている。
ロシア連邦上院議長ワレンチナ・マトヴィエンコはこの法案を支持している。
要請書によると、この法案は、上院議員ボリス・ネフゾロフ(БорисНевзоров)の主導で準備されたものだ。
5年前にも同様に流し網操業禁止法案が提出されたが、その太平洋サケマスの漁獲量は、沿岸漁業のわずか4%未満にすぎず、2009年6月、根拠の乏しさを理由に下院で否決された経緯にある。
要請書では、極東海域における太平洋サケマスの全体の生産量が増加傾向にある中、流し網漁業による漁獲量の割合が、2009年から変わらず4%未満であることを指摘し、上院議員の行動は米国の利益を優先する恥じるべきもので、その引用しているデータも米国非政府組織によるもののみ依存していると批判している。
ロシア流し網漁船船長は、これらの問題に関する理解を大統領プーチンに要請し、乗組員とその家族の生活が守られるよう求めた。

2014年12月16日モスクワ発
[シェスタコフが原田大使と流し網漁業について会談]
ロシア漁業庁は、2014年12月15日、ロシア農業副大臣(漁業庁長官)シェスタコフが、原田親仁駐ロシア連邦日本国大使と漁業分野の両国の協力等について協議したと発表した。
双方は、両国の政府間協定に基づき対話を継続することの重要性を指摘した。
また、1985年5月12日付ソ日漁業協力協定の実施に関するいくつかの事項、特に、ロシア排他的経済水域における太平洋サケマス流し網操業の規則の変更等について話し合った。

2014年10月16日モスクワ発
[ロシア上院本会議で議長が流し網漁業の問題解決を約束する]
ロシア上院本会議において議長ワレンチナ・マトヴィエンコが、同院として流し網漁業について積極的に対応していくと語った。
ロシア排他的経済水域における流し網漁業は、繰り返し、カムチャツカ地方選出議員等から、ロシア経済と環境に悪影響を与える旨の主張がなされてきた。
本会議で質問を受けたマトヴィエンコは、この問題について既に、ロシア漁業庁と解決に向け取組を開始しているので安心してほしい旨を発言、積極的な対応の推進を約束すると加えた。

2014年10月15日 モスクワ発
[ロシア上院食料農業政策環境評議会が流し網漁業の取扱いについて協議]
2014年10月14日、火曜日、ロシア上院食料農業政策環境評議会の拡大会議が開催され、カムチャツカ地方の水産分野への追加的支援について協議が行われた。
この中で、同地方に2008年から、16の水産加工場や沿岸インフラに投資が行われているが、漁業発展のための阻害要因が存在し、その一つが、日本漁船によるロシア排他的経済水域における流し網漁業だとの指摘がなされた。
会議に出席した、カムチャツカ地方水産部長ウラヂミル・ガリツインは、日本漁船の流し網漁業が廃止されると、単純に1万トン、同地方の沿岸漁業の生産が上積みされると言及した。
ロシア連邦上院議長ワレンチナ・マトヴィエンコは、以前からロシア排他的経済水域における流し網漁業の全面禁止を主張してきた経緯にあり、そのための段階的削減措置を支持している。
議長を務めた同評議会委員長ゲンナジー・ゴルブノフは、カムチャツカ地方の主張を支持することを、今回の拡大会議のとりまとめとした。

2014年09月10日 モスクワ発
[ロシア連邦上院が再び流し網漁業禁止案を準備する]
2014年9月9日、ロシア連邦上院議長ワレンチナ・マトヴィエンコは、近い将来、ロシア排他的経済水域における流し網漁業全面禁止案が上院から下院へ送られることになるだろうと語った。
マトヴィエンコは、以前からロシア排他的経済水域における流し網漁業の全面禁止を支持してきた経緯にあり、この操業にかかわる日本人に打撃を与えるだろうが、これらはロシア経済と環境に被害を与えていると語った。
また、マトヴィエンコは、日本は「途方もない圧力」の下ではあるが、ロシアへの制裁に参加しているとしつつ、この禁止案が現段階で、ロシアからの報復として正式にリストされているものではないと加えた。
同年9月4日、ウラヂオストクで開催された、第9回国際漁業者会議の冒頭のスピーチで、ロシア連邦食料農業政策環境評議会委員長ゲンナジー・ゴルブノフが、ロシアへの制裁への報復措置として、日本漁船のロシア排他的経済水域における流し網操業を禁止する提案を行い、極東の漁業者から、太平洋サケマス流し網漁業を禁止するべきだとの意見を多く寄せられていると語った経緯にある。
(報告担当者 原口聖二: 過去にも流し網漁業禁止案が上院で可決した事例があり、一方の下院において否決されてきた経緯にある)

2014年09月04日 ウラヂオストク発(一般社団法人北洋開発協会)
[ロシア連邦食料農業政策環境評議会委員長が日本漁船流し網操業中止を提案]
2014年9月4日、ウラヂオストクで開催された、第9回国際漁業者会議“Международныйконгрессерыбаков”(メジドウナロードヌイコングレスルイバコフ)の冒頭のスピーチで、ロシア連邦食料農業政策環境評議会委員長ゲンナジー・ゴルブノフ(Геннадий
Горбунов)は、ロシアへの制裁への報復措置として、日本漁船のロシア排他的経済水域における流し網操業を禁止する提案を行った。
ゴルブノフは、極東の漁業者から、太平洋サケマス流し網漁業を禁止するべきだとの意見を多く寄せられていると語った。
次は、この会議後の時事通信の報道と、関連過去報告となっている。

日本の流し網漁業禁止を=報復制裁でロシア議員提案
時事通信・9月4日(木)19時10分配信
【モスクワ時事】ロシアのゴルブノフ上院農水委員長は4日、ウクライナ危機をめぐる日本の対ロ制裁の報復措置として、政府間協議に基づきロシア水域で日本の漁船に許可している流し網漁業の禁止を提案した。極東ウラジオストクの国際会議での発言として、インタファクス通信が伝えた。
同席したロシア漁業庁のシェスタコフ長官は「(関係者に)損害が生じないよう慎重に対応しなければならないが、提案について必ず検討する」と約束した。ロシア外務省などと協議する必要があるとも指摘した。 

2014年08月07日 モスクワ発
[シェスタコフがカムチャツカへ出張 経済制裁に絡め日本漁船流し網漁業の見直の要請を受ける]
ロシア連邦食料農業政策環境評議会副委員長ボリス・ネフゾロフ(БорисНевзоров)は、ロシア農業副大臣(漁業庁長官)シェスタコフが出席した、同地方の水産業発展のための会議において、日本の経済制裁にからめ、日本漁船のロシア排他的経済水域における流し網操業の漁業協定の見直しを主張した。
ネフゾロフは、大統領プーチンが経済制裁発動国への*報復措置に昨日2014年8月6日署名したことを指摘、更に日本も積極的に経済制裁に参加したと言及した上で、日本漁船の流し網操業にかかる漁業協定を見直すべきだと語った。
(*報告担当者 原口聖二:報道ではロシアによる経済制裁報復措置国から日本は外れていた。)
また、ネフゾロフは、流し網漁業の混獲とサケマスの産卵行動への影響の問題のほか、ロシア流し網漁船16隻に対し、日本漁船の隻数が30数隻でありながら、ベニザケの漁獲割当がその3分の1であることに、当該操業に疑義を抱くと言及した。

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