2017年03月29日
モスクワ発
[色丹島は投資クオータの活用を準備する コンブ生産施設整備を計画]
ロシア農業副大臣(漁業庁長官)シェスタコフは、色丹島の水産業界の代表者らと会合し、水産分野の発展等について協議した。
この中で、一度経営破たんした、漁業コンビナート”Островной”(アストロブノイ)の再建に関わった投資グループ “Курильский универсальный комплекс”(クリリスキー・ユニヴァサリヌイ・コンプレクス)の貢献が報告された。
また、やはり“アストロブノイ”の再建に関わっている、“Интеррыбфлот”(インテルルイブフロート)代表ミハイル・ザイツエフは、フィッシュミール・魚油工場と白身魚対象の加工場の建設、港湾インフラ整備等に加えて、コンブ生産のための施設整備にかかる計画を示した。
更に、地域ファンド“Родные острова”(ロドヌイ・アストロワ)理事ドミトリー・パショフは、今後の色丹島の水産加工業発展のため*投資クオータの活用を提案した。
(*報告担当者 原口聖二:投資クオータ)
今年2017年から申請受付が開始される2019年の漁獲割当の更新に向けた新たな仕組み。
TACの20%以内でロシア国内で漁船を建造する者(15%以内)と陸上水産加工場を建設する者(5%以内)に、一定の条件を満たすことで優先的に漁獲割当が配分されることになる。
(関連過去情報)
2017年03月02日 モスクワ発
[再稼働の“アストロブノイ”500万缶以上を生産]
昨年2016年春、経営破綻し操業継続が危ぶまれていた色丹島漁業コンビナート“Островной”(アストロブノイ)が同年9月、サンマ処理を再開、これまでに500万缶以上の缶詰を生産して市場への出荷が始まっている。
昨年、ウラヂオストクで開催された東方経済フォーラムで、経営支援のため新たな投資家”Курильский универсальный комплекс”(クリリスキー・ユニヴァサリヌイ・コンプレクス代表アレクサンドル・カン*1 Александр Кан)を加える覚書を、サハリン州政府とロシア漁業庁が調印、再構築事業には、“Интеррыбфлот”(インテルルイブフロート代表ミハイル・ザイツエフ*2Михаил Зайцев)が参加している。
アストロブノイの新たな代表ミハイル・ザイツエフは、現在、ノルウエーとアラスカの最も近代的な機器メーカと協力して生産にあたっており、イワシ資源の受け入れの準備も完了しつつあると語った。
(*報告担当者 原口聖二:アレクサンドル・カン*1は、ネヴェリスクの合弁企業“Вакканай”ワッカナイを振出に極東の“カニ王”と呼ばれるまでになったアレッグ・カンОлег Канの実子とされている。なお、ミハイル・ザイツエフ*2は、ロシア延縄漁業者協会の会長でもある。)