2017年03月12日
北海道新聞
[四島で共同漁業、道の駅 経済活動 道、政府に要望へ]
北方四島でのロシアとの共同経済活動や元島民の墓参拡充を巡り、道がまとめた政府への要望書案が11日、判明した。共同経済活動では、根室管内1市4町を中心とする道内の企業などの技術や経験の活用を求め、事業例として、四島周辺での共同漁業や道産の農畜産物を売る四島版「道の駅」の開設、海獣や野鳥をウオッチする洋上観光などを挙げた。18日の東京での日ロ公式協議に向けて、高橋はるみ知事が近く関係省庁を訪れ、提出する方向だ。
案では墓参を含む四島との交流拡大を見据え、国後島古釜布沖以外でも出入域手続きを可能にすることや往来用の船の増加、四島に活動支援拠点を設けることを提案。共同経済活動については、漁業や観光、医療・福祉など9分野で道内の技術を生かせるとし《1》共同経済活動の枠組みや資金の明確化《2》現地調査団の派遣《3》根室管内の道路・港湾・空港・鉄道の整備―を要請する。
2017年03月09日
北海道機船漁業協同組合連合会(一般社団法人北洋開発協会)原口聖二
[日本の漁業者 南クリールでの活動に関心がある]
2017年3月18日、東京で”北方領土における共同経済活動”に関する次官級協議が開催される。
ロシア一般紙(WEB)は、日本の漁業者が、南クリールでの活動に関心があり、協議に先立ち、その要請活動を日本政府に対して行ったと伝えた。
2017年03月08日
毎日新聞
[北方領土 共同調査を露に提案へ 漁場環境や動植物など]
政府は、今月18日に東京で開く北方領土での共同経済活動に関するロシアとの初協議で、周辺水域の漁場環境や固有の動植物などに関する共同調査を提案する方針を決めた。ロシアが応じれば年内にも調査を開始し、共同経済活動を巡る協議に弾みをつけたい考えだ。日本側は共同経済活動による地域振興が平和条約の締結や領土問題の進展につながるとして早期の活動開始を目指している。
安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領は昨年12月の首脳会談で共同経済活動の交渉開始で合意。初協議では外務、経済産業、国土交通、農林水産など双方の関係省庁幹部が出席し、両政府の提案を示す。日本側はこの中で、活動の前提となる調査の共同実施を呼びかける。活動を開始するには双方の法的立場を害さない「特別な制度」の創設が必要だが、両国の主権が関わる交渉は難航する可能性も高く、制度と関係なく進められる調査を先行させる狙いもある。
調査は、北方領土周辺水域の水産物の生息状況や資源量、養殖に適した地形などに関する漁業関連の内容と、動植物の生息状況や景勝地などに関する観光振興や環境保全に向けた内容を想定。政府は共同経済活動として、沿岸でのコンブ漁やホタテ・ウニなどの養殖、クジラやオオワシなど動植物を観察するエコツアー、島民への医療提供などを検討している。【田所柳子】
2017年03月07日
北海道新聞 【根室】
[四島周辺で操業を 共同経済活動 地元要望出そろう]
根室管内漁協組合長会(8漁協、会長・大坂鉄夫根室漁協組合長)は6日、北方四島での共同経済活動の実現に向けた漁業と海面養殖の2分野について政府への要望をまとめた。近年の漁業不振を背景に地元漁業者の要望を前面に出し、四島周辺水域での操業や養殖事業の実施を求めた。根室管内1市4町の首長が3日に決めた要望に盛り込み、計10分野の事業を8日に国に提出する。
漁協組合長ら約40人が出席し根室市内で開いた会議でまとめた。漁業では、四島周辺水域で調査を実施した上で、現在は四島周辺で日本側が行っていないカニ、ウニ、ホタテなどの漁獲ができるよう求めた。ロシア200カイリ内で昨年から禁止されたサケ・マス流し網漁の四島周辺での実施も盛り込んだ。日ロ間の協定に基づき漁期や漁獲量に制限が設けられている コンブ やスケソウダラについては操業の拡充を求めた。四島側漁港の整備なども挙げた。
海面養殖では、水深や底質、流速などを調査し漁場基本図を作成した上で、ホタテやコンブ、ウニなどの養殖の実施を求めた。養殖事業に伴う四島側関連施設の整備も提案した。
大坂会長は会議終了後、「根室管内全体の漁獲数量や生産量が減少する中、共同経済活動への期待は大きい。多種多様な魚種で漁業が実現するよう求めていきたい」と述べた。
2017年02月26日
北海道機船漁業協同組合連合会(一般社団法人北洋開発協会)原口聖二
[南クリールでのロ日共同経済活動にかかる日本側提案]
2017年3月18日、東京で”北方領土における共同経済活動”に関する次官級協議が開催される。
ロシア通信社”РИА Новости”(RIA Novosti)は、日本経済新聞の報道を引用、この件に関連し、日本政府が南クリールにおける漁業分野の活動として、カラフトマス(サケマス)やその他の魚種の水産加工や、アワビ等の養殖漁業にかかる合弁会社の設立等を提案するだろうと伝えた。
Япония предложит России создать совместные предприятия по переработке горбуши и другой рыбы, а также по производству ценных моллюсков “морское ушко” и прочих морепродуктов, сообщает издание.
2017年02月26日 日本経済新聞
[北方領土の共同活動、遠隔医療・観光船提案へ]
日本、ロシア両政府が実現を目指す北方領土での共同経済活動で、日本政府が検討している事業が分かった。昨年12月の首脳会談の合意に基づき、北方四島での水産加工場の共同運営や、日本の医療機関が提供する遠隔医療、クルーズ船による観光振興などが柱となる。来月からロシア側と調整を本格化させる。
安倍晋三首相とプーチン大統領は昨年12月の会談で、共同経済活動は日ロ双方の立場を害さない「特別な制度」のもとで実施するとし、漁業、海面養殖、観光、医療、環境の5分野を挙げた。日本側は省庁横断で具体策を検討してきた。
来月18日に日ロ両政府が都内で共同経済活動などに関する協議会を開き、双方が検討した案を提示し合う。4月からの大型連休中や9月などに予定する首脳会談で具体的な事業項目について合意したい考えだ。
遠隔医療は現地医療機関と、北海道内の医療機関や大学などが協力することを検討。四島住民が日本の医師の診断を受けられるようにする。
北方四島は世界自然遺産の知床半島と生態系が近く観光資源として期待される。両国の民間企業が共同でクルーズ船によるツアー実施を検討。日本側の観光客を想定し、まずは陸に上がらず海上から見学するコースとする。生態系保護のため専門家も派遣する。
四島の主力産業である漁業ではサケなど水産加工場の共同運営を提案する方向だ。歯舞群島にある貝殻島の灯台改修も検討。養殖分野では付加価値の高いアワビなどの共同生産を模索している。
協議では、経済活動するうえでの主権をめぐる問題も焦点となる。北方四島はロシアが実効支配しており、これらの事業は「特別な制度」での実施となる。ロシア側はロシア法の適用を求めており日本と立場が異なる。日本の従業員の法的立場をどう守るかやトラブル発生時の警察権などが今後の交渉課題だ。
日本側はこれらの交渉を少なくするため海上だけの協力や日本人の滞在が短くてすむ事業を中心に選んだ。日本の民間企業は採算性が見通せず参加に慎重とみられ日本政府は参加を促す制度の検討も必要になりそうだ。