2021年02月04日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[北太平洋漁業委員会NPFC サンマ資源を論議]
北太平洋漁業委員会NPFCが、2021年1月20日から同22日までの間、科学委員会専門会議を開催し、全ロシア海洋漁業研究所ヴニロ太平洋支部チンロの代表者がこれに出席した。
当該会議は通信を利用して開催され、ロシアのほか、カナダ、中国、日本、韓国、米国、バヌアツ、台湾の科学研究機関の代表者らも参加して、2020年のサンマ漁業のレヴュー等が行われた。
2020年、北太平洋では、ロシア、日本、台湾、韓国、中国、そしてバヌアツの漁船が、サンマ操業を行ったが、新型コロナウイルス拡散防止対策により、検疫等、複雑な条件が加わった。
近年、サンマ資源の減少傾向が確認されており、特に2020年、各国の着業隻数もおしなべて減少した結果、各漁場では過去最低の漁獲量を示し、総漁獲量は前年2019年比71%相当の約13万7,000トンにとどまった。
当該会議では、一貫したデータ収集方法で、合意されたベイズ型状態空間プロダクションモデル(Bayesian state-space surplus production model:BSSPM)を用いて、サンマの資源評価の結果をレヴューした。
サンマの資源評価の総括としては、2017年のバイオマスが1980年以来の最低レヴェルまでに低下、2017年から2019年、歴史的低水準にとどまり、漁獲量Fが持続生産量を最大化するFmsyを上回っていたことが示された。
この資源評価の問題を議論の結果、サンマ資源に影響を与える生態学的要因の研究を強化することに合意、次回会合において、バイオマスと低漁獲量のモデル推定値を踏まえ、資源の持続可能性を確保するための対策を検討することとなった。