2021年02月07日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[ポスト英国EU離脱 英国の二枚貝漁業 EUへの製品供給停止状態]
英国とEUは、EU漁船が英国海域に入漁を続けることを許可する貿易協定に、2020年末合意した。
漁獲割当の削減は5年間で25%にすぎず、しかも段階的となっている。
英国が2021年1月1日にEUの共通漁業政策を去って以来、EU漁船の英国海域での漁業の現状はほぼ同じで、EUは、英国海域で大量に漁獲しているにもかかわらず、英国からEUへの貝類の輸出をほぼ停止状態に追い込み、更に関連する規則を強化する計画を示している。
英国は現在、EUによって第三国または独立した沿岸国として扱われており、英国漁業会社は現在、二枚貝のEUへの製品供給については、特定Aクラス海域で採捕され、食用に洗浄されていることを求める衛生証明書等が製品供給に必要となった。
これまでは、ムール貝、ホタテ、カキなどの二枚貝は、EUに到着後、先方業者によって処理され、消費するために販売されていた。
英国政府は以前、当該規則が同年4月にも失効すると伝えたが、現在はEUがこれを恒久化する可能性が指摘されている。
英国"全国漁業者団体連合"(The National Federation of Fishermen's Organisations)の代表Barrie Deasは、EUに”cherry-picking”(サクランボ選び:比喩として「いいとこ取り」)をされていると語り、EU漁船は英国海域に入域しても第三国船のように扱われていないが、英国の企業は、貝をEUに輸出するための追加費用に見舞われることになったと批判した。
英国環境・食糧・農村地域省(Defra)は、この問題を解決するためにEU当局との協議を行うことを計画している。
BarrieDeasは、これらの貿易上の問題のいくつかは、EU単一市場と関税同盟を離れるという決定から生じており、貿易が行われるということだけが、加わっただけで、健康要件に関しては何も変わっておらず、現実的な解決策が見つかることを願っていると加えた。