2021年06月24日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[ポスト英国EU離脱 アイルランド漁業者が抗議行動]
アイルランド漁業者、漁船団50隻は、2021年6月23日未明から、ダブリン港に集結、リフィー川をのぼり、英国のEU離脱にともない損失をこうむったとして、抗議行動を行った。
アイルランド漁業者・漁船団は、EUと英国の間の貿易協力協定の漁業部分において、主要な敗者と言える。
EUは、英国海域において漁獲してきた水産物の一部を英国に戻すことに合意した。
アイルランド当局によって作成されたデータによると、同国漁業者は漁獲の15%、4,300万ユーロ(3,800万ポンド)相当を失うことになる。
漁獲割当は2026年までの5年間で段階的に削減される。
アイルランド漁業者・漁船団の最大の削減はサバで、2026年までに2,700万ユーロ(2,400万ポンド)、これまでの漁獲の1/4相当を失うことになる。
もう1つの大きな削減は、アイリッシュ海を含む海域No.7のエビの漁獲で、800万ユーロ(700万ポンド)、これまでの14%相当を失うことになる。
アイルランド漁業関係者・賛同抗議参加者500名-600名は、スペンサードックのギルドストリートパークに向かって行進、当日13時30分、首相ミホル・マーチンあての、EU共通漁業政策の再交渉や貿易協力協定における加盟国全体での平等な負担等、問題解決のための要請書を、参加者の子供から、農業・食料・海洋大臣チャーリー・マコナローグに手渡した。
マコナローグは、業界団体の代表者と会談を行った後、建設的な話し合いができたと語り、数ケ月をかけて各現場を訪問し、漁業者や沿岸地域社会との相互理解を深めていくと加えた。