2021年06月27日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[またがり資源日本海スルメイカ 大和堆南西海域と朝鮮半島東部沿岸の出足比較]
日本海でスルメイカ漁に当たる石川県漁協所属の中型イカ釣り船5隻が2021年6月25日、燃料補給のため、拠点の能登町小木港に一時帰港したと北國新聞が伝えた。
同紙によると小木船団の持平祐治副船団長(59)=第18興洋丸船長=は「どこに行ってもイカがいない」と話し、厳しい船出となっている。
県漁協所属船は6月6日に第1陣の6隻が出漁、19日までに計8隻が日本海に向かった。
船団は能登半島沖の好漁場「大和(やまと)堆(たい)」の南西付近や山口県見島沖、輪島市の猿山岬沖などで操業し、漁獲量はわずかで、サイズも小さかった。
2日間操業した大和堆南西付近では全く漁獲がなかった。
違法操業の中国などの漁船は目撃していない。
一方、2021年6月27日、韓国慶尚北道浦項九龍浦水協によると、浦項沖など東海岸にイカの群れが集まって一日平均5万-6万尾の漁獲量を記録している。
九龍浦水産協同組合の関係者は、「特に、今月に入ってから出港した漁船が一隻当たり少なくても1,000尾で、多くは5,000尾ぐらい持っている」と述べた。
これら漁獲したイカは商品価値がある150g-170g程度の中間の大きさだ。
この日の午前、イカ釣り漁船30隻が水協を通じて委託販売したイカは7万尾で、禁漁明け後、最も多いものとなった。
九龍浦水協組合長キム・ジェファンは「今年は浦項や蔚山沖だけでなく、鬱陵島、独島海域にもイカの群れが集まっている」とし「独島近くに大型イカ魚群が形成されたのは、この40年間で初めてだ」と語った。
韓国海洋水産開発院(KMI)漁業観測センターの資料によると、今年4月1万96トンだったイカの漁獲量は、5月2万5,729トンで2.5倍に増えた。
昨年5月の1万842トンに比べても2倍以上増加している。
大鬱陵島海洋院博士ム・ユンは「東海(日本海)イカ漁場は、冷水と暖水が会う境界で主に形成されるが、この5月-6月、水温がイカ漁獲に適した15度-20度が維持されている」と述べた。
慶尚北道環日本海地域本部長ソン・ギョンチャンは、「中国漁船がイカの回遊路の北朝鮮漁場になく、北朝鮮漁船の出漁もないこともイカ漁獲量が増えた原因とみられる」と語った。