2022年05月18日 шок!
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[日本EEZ“またがり資源”韓国近海スルメイカ操業概況(5月6日)]
韓国漁船による自国EEZでの2021年度漁期(管理期間2021年7月-2022年6月)の2021年7月1日から2022年5月6日までのスルメイカの漁獲量は、4万1,290トン、前年度同期の137%で、TAC設定8万3,830トンに対する開発率が49%となっている。
科学研究機関の勧告により、各漁業種の内、唯一、TACを拡大させた二艘引き西海トロールは1万3,160トンを漁獲して、当初枠を全量開発、留保枠の利用に入っており、双方合算枠の1万3,650トンに対する開発率が96%を超えている。
当該操業は前年度同期の184%の生産となっており、全体の1/3を占めプレゼンスを発揮、今漁期、韓国イカ漁業を牽引する位置づけとなっている。
主要漁業の沖合イカ釣りは、1万970トンで、二艘引き西海トロールを下回り、前年度同期の95%の生産となっている。
前年度漁期となる2021年1月1日から、近海網漁船にもイカのTAC管理が導入されている。
近海網漁業は、新年度漁期開始から報告日までに、3,600トンを漁獲、当初枠のTAC開発率は94%となっているが、留保枠の利用に至らない可能性がでてきた。
なお、大型トロールと二艘引き西海トロールは、操業海域が東経128度以西に限定されており、当該EEZにおいて報告日まで2万1,440トン以上、今漁期、韓国スルメイカ漁業の半分を上回る生産を西岸沖合漁場が占め、日本の資源評価においてこれまで、ほぼ論議の対象外だった動向を示す結果となっている。