2022年11月19日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会内 原口聖二
[ポスト英国EU離脱 アイルランド漁業を脅かすノルウエー]
非EU加盟国ノルウエーがEUに対しアイルランド海域へのブルーホワイティング操業へのアクセスを求めており、アイルランド漁業はこれを脅威としてとらえている。
ノルウエーはアイルランド政府に打診することなくEUに対し、直接、アイルランド海域への入漁機会の要請を行っている。
アイルランド漁業者協会代表オドンネルは、英国のEU離脱により、EUから英国に移譲された漁獲割当は金額ベースで40%がアイルランドからのもので、海岸線がはるかに短い他のEU加盟国がはるかに大きい漁獲割当を確保していると語り、再び、大きな打撃を受ける可能性が発生していると言及した。
ブルーホワイティング資源はアイルランド海域に集中しており、アイルランドは当該資源を利用した輸出市場向け高次加工食品産業を発展させてきた。
一方、ノルウエー漁業は南下してブルーホワイティングの生産量を倍増させることを目指している。
また、ノルウエーは、制裁下においてもロシアとの来年2023年の操業条件を決める漁業委員会での交渉に合意している。
オドンネルは、ノルウエーについてEUに加盟していないにもかかわらず、現在でもアイルランド西部海域での操業が認められている不条理が存在しており、これらを拒否することを求めていく必要があると語った。
また、仮に、ノルウエー漁船のアイルランド海域での操業を認めるのであれば、アイルランド漁業がノルウエーからの代償を受け取ることが可能となるよう政府に要請していくと加えた。