2023年01月23日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[米国 ベーリング海のカニ禁漁措置により緊急医療サービスが危機に晒される 地域最悪財政破綻]
ベーリング海のカニ禁漁措置により米国プリビロフ諸島の緊急医療サービスが危機に晒されている。
プリビロフ諸島最北に位置するセントポール島セントポール市は、その経済の90%をズワイガニ漁業に依存してきた。
アラスカ州漁業狩猟局は、資源悪化を理由に、2022年-2023年管理期間、史上初めて、ベーリング海のオピリオの禁漁措置をとった。
ブリストル湾のタラバガニも2年連続で禁漁措置がとられており、セントポール市の打撃は約270万ドルと見積もられている。
セントポール市は、ズワイガニの禁漁措置を受け、2022年10月下旬、“文化的・経済的・社会的緊急事態”を宣言し、予算削減と雇用凍結、その他の措置を開始した。
この影響を受け、現在、プリビロフ諸島の住民は救急医療サービスの喪失に直面している。
約350人の住民に対し、現在、島から離れている緊急医療技術者は1人となっている。
セントポール市長フィル・ザヴァディルは、今月2023年1月末、緊急医療技術者とチームを雇う資金が切れ、その後、リモートと訓練や知識を持たない地元のボランティアに頼らざるを得なくなると語り、何かが起こった場合、患者等を救急車で診療所に連れて行くことしかできないと加えた。
また、カニ漁業がなくなり、税収の60%が失われた現在、難しい選択をしなければならないと述べ、市の重なる赤字等を考えた時、最終的には財政破綻の可能性もあると言及した。