2023年01月16日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[#11洋上風力発電と漁業 海外の経験 米国 続いたクジラの死 プロジェクト停止の声が高まる]
米国北東部沿岸に、この2ケ月たらずで7頭の死んだクジラが打ち上げられていることから、洋上風力発電プロジェクトを停止するよう求める声が高まっている。
“FOX News”(原口聖二:同メディアは共和党寄りとされている)が伝えた。
国会議員、漁業者、そして、海洋活動家は、ニュージャージー州とニューヨーク州の海岸線に沿って最近死んだクジラが相次いで漂着、洋上風力発電プロジェクトの影響調査を求めている。
漁業関係者は、クジラが打ち上げられたのが、洋上風力発電所が原因だと断言することはできないが、言えることは、この2ケ月たらずの間に、ニュージャージー州に打ち上げられた7 頭のクジラはすべて、ニュージャージー沖の風力発電所の地質作業が最も強まっている期間だと指摘した。
ニュージャージー州選出上院議員ビンス・ポリスティナ(共和党)は、クジラの死因を特定できるまで、洋上風力開発に関連するすべての作業を一時停止する必要があると語り、7頭のクジラの死が単なる偶然であるとは信じがたいと加えた。
米国海洋大気庁(NOAA)は、これまでのところ、ニュージャージー州とニューヨーク州での最近のクジラの死のほとんどを占めている種はザトウクジラだが、洋上風力発電開発作業の影響かは判明していないとしている。
しかし、この沿岸沖合における数少ない変化は、洋上風力発電所開発のための調査活動で、爆撃のような音で海底を叩いており、激しい音がクジラの鼓膜に出血を引き起こし、耳に損傷を与える可能性があることが知られており、浅瀬への座礁の可能性が指摘されている。
下院議員ジェフ・ヴァン・ドリュー(共和党)も、洋上風力発電所を建設するための調査作業が海洋生物に害を及ぼしているかどうかを判断するための調査を求めており、これが実施されるまですべての洋上風力発電開発にかかる活動の停止を2023年1月13日、関係機関に要求したことを明らかにした。