2022年08月24日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ロシア投資目的漁獲割当第2弾設定草案 業界古参大手 汚職・腐敗の可能性を排除できないと指摘]
ロシア沿海地方古参大手の漁業コルホーズ“ヴォストーク・アジン”(Восток-1)代表アレクサンドル・ペレドーニャ(Александр Передня)は、投資目的漁獲割当第2弾設定草案に2つの腐敗要因が見られ、汚職の可能性を排除できないと指摘、当該法案が2022年7月、下院に提出されたが、これが漁業分野に悪影響を与えることに疑いの余地はないと言及した。
ペレドーニャは、“汚職・腐敗防止に関するロシア連邦法”で、汚職・腐敗を防止するための措置が定義されており、その一つが、法案の起草にかかる汚職・腐敗防止のための専門知識だと語り、あいまいで実施が困難な規定、または市民や組織にとって難解な要件を含む規定は、汚職・腐敗の顕在の条件を作ることになると加えた上で、当該法案に2つの要因が存在していると述べた。
1つ目は、“不当に緩い制限”で、投資目的の漁獲割当にかかるオークションの落札者は、義務化されたプロジェクトの実施前でも資源利用の権利を受け取っているが、この義務を果たす保証が実際には希薄な点(あいまいな起草)であり、2つ目は、設定期間内で漁船建造プロジェクトを行うという実情から離れた規定(実施が困難な起草)をしている点だとしている。
2019年秋に行われた漁船建造が義務付けされたカニ漁獲割当オークションの第1弾の落札者によるプロジェクトは41隻だが、現時点において漁業者に引き渡され当該操業に着業しているのは、わずか3隻、8%未満に過ぎない。
また、例えば、深海ガニの漁獲割当の落札額は漁船建造コストを超えており、到底、プロジェクトの義務を果たせるとは考えられず、実際に1隻も着工されていない。
ペレドーニャは、これらの事実は、あいまいで実施が困難な規定の起草を如実にあらわすものだと述べ、下院議員にこれらすべての点に細心の注意を払うよう促すとした上で、同時に、検事総長室、ロシア連邦会計室、関係機関への公の訴えでもあると強く加えた。
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