2019年09月30日
リポート:北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[TAC魚種またがり資源スルメイカ韓国漁業等速報]
①韓国漁船
2019年漁期(2019年7月1日-)開始から同年9月20日までの間、韓国漁船は自国EEZ内で、2万800トンのスルメイカを漁獲し、前年同期の241%の生産をした。
この内、前年漁期の試験枠から実績枠となった西海トロール(二艘引き)操業が9,000トン以上を占め、当該操業の配分されたTAC開発率は既に84%になった。
*日本の資源評価での韓国近海の漁獲分類:“1月-3月冬季発生 4月-10月秋季発生 11月冬季・秋季混合 12月冬季”
*西海トロールは操業海域が限定され、東海(日本海)でのイカ操業は認められていない。
②中国漁船(情報更新なし)
中国漁船のスルメイカ操業は5月末から始まり、6月までに13万トンを陸揚げしたが7月-8月は2万トンにとどまった。前年通期生産量は14万トン-15万トンだった。(2019年9月18日みなと新聞)
③北朝鮮漁船
2019年9月7日、ロシアFSB沿海地方国境警備局は台風“Линлин”(リンリン)を待避するためロシア沿海地方(日本海北海道対岸)海域に500隻の船舶が緊急入域、この内150隻は北朝鮮漁船だと発表、これらの漁船の一部がこの緊急入域の大義を理由に密漁を行っていると加えた。
2019年9月17日、ロシア当局は、日本海大和堆でイカの密漁を行ったため拘束した北朝鮮漁船乗組員は計161名になり、同時に小型漁船2隻、モーターボート11隻を拘束したと発表した。
その後当局は、さらに2019年9月21日以降の取締活動で、北朝鮮小型漁船3隻、モーターボート5隻、乗組員262名を拘束したと発表した。
また、これらから密漁したイカ漁獲物3万個体、違法漁具等を押収したと加えた。
④ロシア漁船
今年2019年漁期開始から同年9月23日までに、ロシア漁船は南クリール海域において約7,430トンのスルメイカ(太平洋イカ:тихоокеанского кальмара:チホーオケアンスカガァ ・カリマーラ)を漁獲した。
全ロシア海洋漁業研究所ヴニロ太平洋支部チンロが発表した。
当該海域スルメイカ操業にはロシア漁船30隻が着業している。
⑤その他
日本の水産研究・教育機構は2019年9月26日、2019年度第2回太平洋スルメイカ長期漁況予報として、19年10~12月のスルメイカ来遊量は根室海峡-オホーツク海では前年を上回り、常磐-三陸海域および道東太平洋海域では前年並み、津軽海峡-道南太平洋海域では前年を下回ると発表した。(2019年9月30日水産経済新聞)
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