2019年09月10日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[サンマ漁業 中国・台湾の発展がロシアを衰退させた 求められる国家支援]
ロシアのサンマ漁業の衰退は、中国・台湾漁業の発展と時期が一致している。
2007年、ロシア漁業が10万トン以上のサンマを漁獲していたが、中国は当該操業にまったく参加していなかった。
しかし、中国政府はサンマ操業の船団組織発展のため、6憶ドルの予算を拠出し、中国企業は、現物投資の段階的な返済を条件に、新たに強力に専門化された漁船を受け取った。
数年間で中国漁業は経験豊富な船長を育て、昨年2018年、47隻をサンマ操業に着業させた。
同年、日本、中国、台湾等の当該漁業国は9万トンから17万トンのサンマを生産したが、ロシアの生産は1万トンに満たず、約5万トンを輸入した。
ロシアの加工業者は輸入価格に満足しており、サンマ製品の生産を継続し、売り場フェースにこれらを絶やさないことが重要だった。
実際、製品が消費者に滞り、それを回復させることは困難で、マーケティングと大きな広告費用が必要となり、今日、輸入原料で製品を生産するサンマ加工業者はこれらをすべて理解している。
ロシアのサンマ漁業が停止に向かう時でも、他の漁業国が生産を継続するだろうが、一方で大きな問題は、規制が強化された時、リーズナブルな価格で、原料をロシアに輸出しないと予想されることだ。
アジア諸国はまず自国の消費を確保し、その後、サンマを外国市場へ販売することを動機づけとして漁業を発展させることになる。
また、中国、台湾政府は、燃料費を補助し、船団の建造を支援して、安定した食料供給を望んでいる。
ロシアは、もはや専門的なサンマ船団の不足に目をつぶることはできない。
ロシア業界は、国家が少なくても何等かの形で重要な問題の解決に参加することを待っている。