2019年09月14日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[英国 合意なきEU離脱分析資料“イエローハンマー”漁業分野への影響]
2019年9月11日公表された英国の合意なきEU離脱分析資料“イエローハンマー”(Operation Yellowhammer)は、英国漁業への影響を指摘している。
“イエローハンマー”によると、EUおよびEEA諸国の漁船が、1日あたり最大282隻、英国海域で違法漁業を行う可能性があり、その内訳をイングランド海域129隻、スコットランド海域100隻、ウェールズ海域40隻、北アイルランド海域13隻と分析している。
また、これらは、英国漁業に怒りと欲求不満を引き起こし、漁船間の衝突、英国国内漁船の違法漁業の増加を招くと予想している。
2019年09月12日
AFP通信
[英国 合意なきEU離脱分析資料イエローハンマーが公表される]
英国では欧州連合(EU)からの「合意なき離脱」への準備が進んでおらず、このままでは英仏海峡の港で物流の渋滞が発生し、食品や医薬品の輸入が間に合わずに品不足に陥る恐れがあるとの英政府の分析資料が11日、公表された。「市民の騒乱」も起き得ると指摘している。
英政府が「合意なき」EU離脱(ブレグジット、Brexit)の影響を分析した8月2日付の文書「オペレーション・イエローハンマー(Operation Yellowhammer)」をめぐっては先週、英下院の採決で政府に公開が義務付けられていた。
文書は英アイルランド国境についても、物理的な検問を設置しない現行の英政府の計画では「経済、法律、バイオセキュリティーの各面でリスクが非常に大きく、維持できないと証明される」可能性が高いと指摘。その結果、国境周辺の町に闇市場ができ、反体制活動家の資金源になりかねないとしている。
また、スペインとの国境で物理的な検問が設置されない英領ジブラルタル(Gibraltar)は特に大きな影響を受けるほか、英国の領海では漁業をめぐる争いが起きるだろうと文書は述べ、「市民の騒乱が増えて、各地で住民間の緊張が高まる恐れもある」と警告している。
「合意なき離脱」への備えを担当するマイケル・ゴーブ(Michael Gove)国務相は、この文書について「起こり得る最悪の事態のシナリオをつづったもの」だと強調したが、EUと合意に至らなくても10月31日にEUを離脱すると宣言したボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相と内閣にとってはさらなる圧力となる内容といえる。
一方、英政府は10日、合意なき離脱に至った場合、EU加盟国から帰国する英国市民は酒類やたばこの免税措置が受けられるようになると発表した。サジド・ジャビド(Sajid Javid)財務相によると、合意なき離脱後の英観光業界の支援策として、英国からEU諸国への酒類・たばこの持ち出しも免税対象となるという。
EUは1999年、単一市場とは相いれないとして加盟国間の免税制度を廃止した。英政府は、離脱後にEU加盟国へ向かう際、英空港の免税店でワインを買えば、国内価格よりも1本当たり2ポンド23ペンス(約300円)安くなるとの試算を示している。
(関連過去情報)
2019年08月12日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[英国の合意なきEU離脱 Email漏洩 英国漁業者 内容に激怒]
英国漁業者は、英国環境食糧農業省(DEFRA)から漏洩されたEmailの内容に激怒している。
英国一般紙(WEB)が伝えた。
DEFRAからのEmailが漏洩、EU離脱後、わずか12隻の沿岸警備当局の巡視船でEEZの取締活動を行うことは不可能だと指摘していることが分かった。
合意なきEU離脱の場合、英国は独立した沿岸国となり、EUの共通漁業政策を離れることになる。
しかし、漏洩したEmailは、巡視船の不足により、離脱後、EU漁船による英国海域での違法行為を防ぐことが出来ない可能性を指摘、このほか多くの不確実性を警告している。
これに対して英国漁業者は、公務員の敗北的態度に怒りをあらわにしている。