2022年09月26日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[#3 洋上風力発電と漁業 海外の経験 アイルランド業界 政府に浮体式タービンに計画変更を要求]
アイルランド漁業界は、同国政府に対し、計画されている洋上風力発電タービンを漁業への悪影響を軽減するために浮体式にすることを求めている。
先に、アイルランド業界の代表者6名が、再生可能エネルギー企業“シンプリー・ブルー”社の招待で、スコットランド沿岸のキンカーディンにある浮体式洋上風力発電所を訪問した。
アイルランド漁業者協会代表オドンネルは、新しい風力発電所を計画する際に、政府から十分に相談を受けていなかったと語り、予定されている規模の風力発電タービンはトロール漁業とは相容れないものだと加えた。
また、会員の利益を守るために懸命に取り組む必要があると述べ、例えば自社の漁船の多くは、アイリッシュ海で伝統的にダブリン湾のエビなどの魚種を対象に長年操業を行ってきたが、これらの漁場は現在、洋上風力タービンの設置が計画されているため、この先を不確実なものにしていると語った。
アイルランド環境・気候・通信大臣は、現在計画段階に入っているアイリッシュ海風力発電所6施設の建設を承認している。
オドンネルは、利用可能な豊かなアイリッシュ海の漁場のほとんどが、発電タービン設置計画と重なっており、計画を停止させることができない場合、漁船団は漁場価値が低い海域に移動せざるを得なく、大きな打撃を受けることになると語り、一方で、適切な話し合いで、全員が共存できるようになる可能性はあると言及した。
2022年11月10日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[韓国 東海(日本海)でスルメイカを一掃していた中国漁船の出現減少]
韓国では、東海(日本海)でスルメイカを一掃していた中国漁船が今年2022年、大幅に減少し、その背景の分析に関心が集まっている。
専門家は、北朝鮮海域の入漁契約金の増加、新型コロナウイルス(CV19)拡散防止対策の強化、スルメイカ資源の減少等、複合的な要素を指摘している。
慶北道と海洋水産部東海漁業管理団によると、中国漁船の東海(日本海)北朝鮮海域操業は2004年から始まり、その年の140隻から、2013年に1,326隻、2020年は2,389隻に急増、2021年に534隻に急減して、今年2022年は33隻となっている。
中国漁船は毎年5月-12月、北朝鮮海域で操業して帰港していたが、今漁期は10月で既に切り上げている。
国連安全保障理事会は2017年、対北朝鮮制裁に中国漁船の東海(日本海)北朝鮮海域操業禁止を盛り込んだが、中国漁船はこれを無視して操業を続けてきた。
東海漁業管理団は、北朝鮮が東海(日本海)北朝鮮海域に入域する中国漁船の入漁契約金が1隻当り2020年の80万元(約1億5,000万ウォン)から、2021年には300万元(5億6,600万ウォン)に大幅に引き上げられたとし、これが操業を断念する漁船が続出した原因の一つだと分析している。
当該操業が開始されたころは1隻当たり25万5,000元(4,800万ウォン)だった。
また、中国と北朝鮮の双方によるCV19拡散防止対策強化、さらに、気候変動、中国漁船による東海(日本海)北朝鮮海域での乱獲、当該操業終了後の韓国海域での違法操業等の影響による資源量の低下により、着業動機が減退したことも中国漁船の減少の理由として指摘されている。
2022年11月07日 北海道新聞
2022年11月05日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ロシアが宣言した4つの新たな地域 2023年からロシアの漁業規則により活動]
ロシアが宣言したアゾフ・黒海沿岸の新たな4つの地域、ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国、ザポロジェ、そしてヘルソンの漁業会社は、2023年からロシアのアゾフ・黒海漁業規則に従って活動しなければならない。
2022年11月3日、ロストフ・ナ・ドヌで開催されたアゾフ・黒海の漁業分野発展のための会議においてロシア漁業庁長官シェスタコフが発表した。
同会議には、漁業庁、FSB国境警備局、動植物監督局に加え、新たな4地域、ロストフ、クリミア、セヴァストポリ、そしてクラスノダールの行政、業界の代表者らが参加した。
会議では、ロシアのアゾフ・黒海漁業規則への同期化の過程、養殖漁業の発展等について話し合いが行われ、特に、ロシアの法律に従って企業や個人が漁船登録するための手続きの重要性が指摘された。
シェスタコフは、2023年から可能な限り早期に効率的に活動を同期化をするための具体的な行動計画が非常に重要だと語り、アゾフ・黒海沿岸地域のすべての漁業者の利益を考慮して任務に取り組むと加えた。
北海道機船漁業協同組合連合会は北朝鮮によるミサイル発射を強く非難する。
日本海、北太平洋では、日本ばかりでなく、韓国、ロシア、中国、そして台湾などの漁船も活動しており、極めて危険な行為である。
日本の政府、関係機関に、北朝鮮に対する強い対応を求める。
2022年11月03日
北海道機船漁業協同組合連合会(担当 常務理事 原口聖二)
2022年11月10日
ユーザー 各位
拝啓 時下ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。日頃は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
さて、投資目的漁獲割当第2弾設定のための関連法案が2022年10月27日、下院第1読会を条件付きで通過しました。
法案支持の根拠として、ロシア漁業が目指している原料ベースでの輸出依存からの脱却、付加価値産業への成長に必要な漁船団の更新、陸上水産加工場建設等、生産施設の近代化の重要性が指摘され、イッシューが大統領プーチンの指示であることも加えられました。但し、中小企業に与えるリスク、投資目的漁獲割当第1弾の漁船建造プロジェクトの遅れ、沿岸水産コンプレクス整備等、多くの問題が提起され、中小企業に利用者が多い、カニを除く沿岸性の水棲生物資源を対象プロジェクトから除外すること、また、“投資クオータ”とカニ漁獲割当オークションの第2弾の発効の延期の可能性について、下院副議長ゴルデーエフの下に調停委員会を設置し検討すること等の条件付の採択になったとのことです。
今月号においては、ごく一部を除く業界の大勢と全ての沿岸地域が反対している中、下院に関連法案が提出された投資目的漁獲割当の第2弾の設定にかかる最新の動向等を先月号に引き続きTopNewsとしてご報告申し上げます。
なお、12月上旬、日ロ漁業委員会第39回会議の開催が見込まれていて、報告担当者も当該漁業委員会に交渉団随行員として参加の可能性があり、例年どおり、12月号は新年1月号との合併号とさせていただきます。今年も変わらぬご愛顧をいただき、誠にありがとうございました。
敬具
(国際漁業対策事業部;原口聖二)
TopNews 投資目的漁獲割当第2弾設定法案 条件付きで下院第1読会通過
・上院は投資目的漁獲割当第2弾代替案検討を求める(“投資クオータ”/漁獲割当オークション関連外14件)
・第5回ロシア国際漁業フォーラム 道機船連がLIVE参加(第5回ロシア国際漁業フォーラム関連外9件)
・ロシア・ノルウエー交渉妥結 制裁強化の場合一時停止(ロシア漁業政策および漁業協定関連等外27件)
・ロシア漁業者漁獲量 約397万トンとなる(10月17日)(ロシア漁業生産/貿易動向関連外5件)
・2022年漁期 オ海スケトウダラ操業Bシーズン開始(ロシア漁業者スケトウダラ・ニシン等操業関連外6件)
・ロシア漁業者 太平洋サケマス操業概況(太平洋サケマス操業関連13件)
・ロシア サケマス製品輸出禁止案が修正再検討となる(サケマス製品輸出規制問題関連外3件)
・ロシア漁業者イワシ・サバ操業概況(イワシ・サバ サンマ スルメイカ操業関連18件)
・カニ割当オークションで配分を失ったロシア漁船が不明船に戻り密漁(ロシアFOC/IUU取締情報関連)
・EUのスケトウダラ・フィレの輸入量と価格の推移(その他ロシア漁業関連情報等外15件)
・韓国冷凍スケトウダラ市場動向(韓国スケトウダラ市場関連2件)
・日本EEZ“またがり資源”韓国近海スルメイカ操業概況(韓国・中国等 東アジア漁業関連外3件)
・英国 離脱元年2021年漁業結果 離脱効果が表れる(ポスト英国EU離脱Brexit関連外2件)
計128オリジナル報告