名古屋・名駅街暮らし

足の向くまま気の向くままに、季節の移ろいや暮らしのあれこれを綴ります。

山里の保育園

2009年12月15日 | セカンドルーム

 

昨夜降った雪が薄っすらと積もり、水溜りには氷が張っていた。


空には黒い雪雲が北西の風に乗って、次々に流れ込んでくる。
天気予報通りに、雲や風の動きから西高東低の気圧配置が感じられる。


午前中は作業場で仕事をし、午後は近くの大八保育園へ行って来た。
付き合いのある「わら細工名人」が、園児にわら細工を教えるということなので、助手を引き受けてついていった。
園児の家は農家が多いが、今はわらを利用して縄をなったり、むしろを編んだりすることはほとんど無い。
園児の親でわら細工が出来る人は少ないし、祖父母が辛うじて覚えている程度のようだ。
名人は、飛騨の伝統的なわら細工の伝承と普及をはかるため、農業の傍ら子供から大人まで幅広い層に教えている。
この保育園でも毎年行われており、今日は縄ないの練習をし、明日はその縄を使って、クリスマスリースを作るとのことである。
6本のわらを元でしばり、よりをかけながらなう方法を、園児たちは熱心に聞き入っていた。


名人の個別指導は、手の平にぺっとつばを吐きかけて手本を示していたが、園児はそこまでは見習わなかった。


最初はもつれたり、元がほどけたりして悪戦苦闘をしていた。


3本4本と作っていく間に、手つきも様になり縄らしくなってきた。

 
一人5本の縄が出来たところで、名人の「よく出来ました。また明日がんばりましょう。」の挨拶で今日のわら細工保育が終わった。
大昔から、お百姓の手から手へと受け継がれてきた生活の知恵や伝統の技は、飛騨の山村でもほとんど消滅してしまった。
草の根ボランティアで、幼い子供たちに飛騨の農民文化の一端が伝わることを願って園を後にした。

コメント (8)
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