名古屋・名駅街暮らし

足の向くまま気の向くままに、季節の移ろいや暮らしのあれこれを綴ります。

飛騨の漬物

2009年12月12日 | セカンドルーム

 

小雨が降る今朝の気温は6℃もあって、例年の今頃に比べれば10℃前後は高い。
山すその雲は風が無いので、いつまでも居座って消えない。
暖かくて過ごし易いが、冬を迎える緊張感が出てこないのも困る。
今日から郵便局の集配が、来年の春まで休みになり、代わって村の人が郵便物や新聞を配達してくれる。
雪深い山里の慣行であるが、もうそんな時期になったのかと、まわりを見渡しても厳しい冬の気配が無い。


渋柿もたわわに実を付けたままで、山にはまだ餌が豊富なのか野鳥も食べに来ない。
昔は柿渋を和紙や木製品などに塗ったり、干し柿を作ったりする人もいたが、今は人からも忘れ去られている。


赤カブを洗う姿をまだ見かけるが、いつもは見ただけで震えそうになるが、今日はそんな感じはしなかった。
赤カブは酢漬けや浅漬け、刻み漬け、品漬けなど、砂糖や酢、調味料などで味を付けた商品がたくさん出回っている。


このあたりでは長期に保存するため、塩だけで丸ごと漬けた昔ながらの漬け方をする家が多い。
古い家には今も漬物部屋があって、そこに棲み付いた菌が発酵を促し、独特の味わいや香りを作り出すといわれている。
大きな杉樽を使った赤カブの塩漬けから、小振りのプラスチック容器へ移り、漬物の好みも変わってきた。
代々受け継がれてきた伝統の味は、塩加減や重石の具合に加えて、山国独特の冷え込みによって作られてきたと言われる。
漬物が食卓の主役から降りてしまったのは、食生活の多様化に加えて、温暖化も影響しているのかも知れない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする