今朝は、久しぶりに真冬並みの寒さを感じた。
氷点下の朝は小雪が舞い、ユキのボウルの水は、固く凍結しているので、盛んに雪を舐めていた。
お昼ごろに、一時青空が見えたが、すぐに雲に閉ざされて、外の気温がプラスになることは無かった。
農作業の師匠の一人である谷口岩雄(80才)さんが、戦争を知らない世代の人たちに当時のことを知らせたいと、「すすむ君と戦争 ~14歳の予科練生~」を著わした。
「ののむら すすむ」のペンネームで、すすむ君を主役に仕立てて書いたのは、客観的に事実を語れるからとのことだ。
39項目の目次に沿って、すすむ君が、戦前・戦中に体験したことを、子供にも分かるように簡潔に語っている。
昭和12年に、村の尋常小学校へ入学して、最初に開いた教科書には、ススメ ススメ ヘイタイススメなど、軍国色が漂っていた。
その他、戦時下の村の暮らしや、学校での軍事訓練の様子などが、すすむ君の目を通して描かれている。
14歳で合格した予科練は、村や学校の誇りであり、家の名誉でもあった。
幼い軍国少年は、死の恐怖を感じながらも覚悟を決めて入隊し、宿舎の玉音放送で敗戦を知っところで本は終わっている。
谷口さんは「戦争を語り継ぐ有志の会」を主宰して、愚かしい戦争を繰り返さないための、啓蒙運動を続けておられる。
多才な農民作家は、農業の傍ら「飛騨高山わら細工大学校」を開いて、わら細工の伝承と普及活動や、わらや米、飛騨の古民具に関する著作など、今も年齢と無縁の活動をしている。