クマタカが飛翔しているところを、運良く写真に収めることが出来た。
悠々と旋回しながら獲物を探している様子は、大きさから見てクマタカであることがすぐに分かった。
今までも度々目にすることはあったが、カメラを取り出している間に視界から消えたり、背景が森で姿がはっきりしなかったりして、撮ることが出来なかった。
特に蛇などをくわえて巣へ戻る時は、スピードが速いのでシャッターチャンスを逃していた。
今回は、野良仕事帰りのおばあさんの写真を撮っていて、ふと上を見たらクマタカが旋回していた。
すかさず空に向かって撮った1枚に、クマタカが入っていた。
ズームで撮ったのは、残念ながらスピードに負けて全部外れていた。
近所にはクマタカを調査する固定カメラが設置してあったり、一日中研究者が望遠レンズを構えている姿をよく見かける。
クマタカは生息数が減少しているので、絶滅危惧種として、捕獲や売買など厳しく規制されている。
こうした保護活動の一方で、ダム工事や大規模農道の建設、荒廃した人工林の拡大など、クマタカの減少に拍車をかけている。
最近は自然保護に対する関心が高まり、クマタカの巣一つでダム工事が中止になったり、万博会場の変更なども起こっている。
生活の利便性や快適性を今後とも追求するか、少々の不自由を我慢して、野生動物と共生できる自然環境を残すかは、常に議論の分かれるところである。
自然界は常に循環しているので、クマタカやクマが住めない所で、人間もやがて住めなくなる筈だ。
人間だけが自然循環の埒外に居ると思っていると、必ずしっぺ返しが来るだろう。